徒然ハトニッキ
(映画編)

はとの不定期映画鑑賞日記。

2003年05月17日(土) blue

監督 安藤尋
出演 市川実日子、小西真奈美

シネ・アミューズにて

「観た」という人達の評判が思わしくないので
やっぱり原作モノは期待してはいけないのかしら?
と観る前から少しがっかりした気持ちだったのですが

何故か号泣している自分。

なんでだろうね?
映画を観て泣くことはあっても
号泣は初めてでした。
本当に嗚咽もらしそうなのを必死にこらえてました。
とめどもなく涙が溢れてくるのです。

原作は一応読んだことはあります。
正直ここで言わせていただくならば
原作にピンとこなかったです。
魚喃の漫画は好きだけど
blueも好きだけど私にはちょっと理解しかねる部分があった。
むしろ私は市川実日子という女の子に思い入れがあったので
今回この映画を楽しみにしていた部分の方が大きかったのです。

でも他で感想を読んだりすると
原作自体に愛着があるという方が多くて
映画に対する感想は辛いものがほとんどでした。

私も原作漫画と映画はまったく違うモノを描こうといていることには同意します。
だからこそ原作の魚喃さんは映画にかなり協力的なスタンスだったんだろうなぁと。


比べるのも何ですけど
「ピンポン」は作り手側(監督、俳優を含め)原作に忠実であろうとする部分が
私には気持ち悪かった。故に好きではない。

「blue」は原作の世界をリスペクトしつつ作り手がちゃんとその映画だけの世界を作ろうとしているのがいいと思った。

でもやっぱりつまらないと思う人が居るのはわかる。
それはそれでいいかな。
わからない人はそれでいいや。
むしろ
わからないままでいてほしいかも。



「遠藤が好き」と言って砂浜で崩れ落ちる桐島。
夏休みの誰もいない暑い教室。
畳でただ寝転がる桐島。
窓の外を見ながら煙草を吸う遠藤。
夏の美術室。
遠藤をおいかけて泣きじゃくる桐島。
2人で見上げる夜空。
言葉にできないぶつけようのない嫉妬、怒り、もどかしさ。
「私は遠藤にとっては永遠に二番目」
「遠藤にはまた一番の人があらわれる」
「それでも私にとって遠藤は一番好きな人」


そういうことが全部、個人的な思い出に結びついてしまった。
そして新潟の風景はなんとなく私が育った町の空気感によく似ている。


映画の手法としては物凄く漫画のコマ割りみたいなものを意識してるなぁと。
あんまりカメラが動かない。
それとほとんどがロングで
桐島と遠藤以外の登場人物の表情はほとんどわからない。
心理的に重要な場面だけアップ。

構図がとてもいい。
きれいな映画なので是非DVDが出たら手に入れたい。


そういえば
私もセザンヌが好きで
美術部だった頃、静物画はセザンヌを意識して描いていたなぁ。



2003年05月05日(月) シカゴ

監督 ロブ・マーシャル
出演 キャサリン・ゼタ・ジョーンズ
   レニー・ゼルウィガー
   リチャード・ギア

幕張にて


アカデミー賞とったってことで
この監督さんも元々ミュージカル畑の人だし
これからミュージカル映画増えるんですかね。

他にどんな作品がアカデミー賞の候補に上がっていたのかよく知らないけどさ
「これが最優秀作品賞!?」
てな感じで疑問符の嵐です。
なんか別に賞とかとってなかったらもっと寛容な心で観れたかもしれんなぁ。

私は古いMGMのミュージカル映画が大好きでして
なんかそういうのと比べると非常に作りの荒い作品だと感じるのだよねぇ。
もともと「シカゴ」自体が舞台作品だから映画も舞台の雰囲気を出そうという方向で作っているわけだから、ミュジーカル映画といっても私の好きなそれとは
別ジャンルと言っていいほど異質ではあるんだけども…

やっぱり踊れない人を主役にもってくるのはどうなんかなぁってことだ。
ものすごくカットとか振り付けとかでごかしてはいるけども
やっぱミュージカルなんだからごまかしきれないでしょうよ。
レニーは確かにかわいくて魅力的だけども
レニー程度のランクの俳優を持ってくるならもっと技術的に優れた
新人を使った方が良かったんじゃないのー?

しかもリチャード・ギアもねぇ
パンツ脱がれてもねぇ
あんなにソロのタップ長々と見せられてもつまんねっす。

でもキャサリン・ゼタ・ジョーンズは凄く格好良かった!
あんまり大した女優さんという認識はなかったのですが
あんなに唄って踊れる隠し芸を持っていたとは!!!
ルイーズ・ブルックス風のボブヘアーもいつものゴージャス女優ヘアより
似合ってるしさぁ、ダンスもセクシーだし、ハスキーな歌声も素敵だった。

なので冒頭のALL THAT JAZZとか舞台版の主役さんと一緒にやってる
監獄のシーンなんかは物凄く良かった。
レニーも腹話術の人形に扮してのダンスは良かった。


本当に良かったのは前半まで。

一番最後のシーンが一番ダメダメだー


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