監督 キャスリン・ビグロー 出演 ハリソン・フォード、リーアム・ニーソン
熊谷ワーナー・マイカル・シネマ
今年の最初の劇場鑑賞です。 たまたま観た昨年末の「虎ノ門」スペシャルで井筒監督が 凄く評価していたので、それだけで単純に観てみたくなりました。 普段ならこの手の大作物って触手が動かないんだけどね。
実話物です。 潜水艦です。 女性監督です。
ホラ観たくなったでしょ。 しかもこの監督、あの「タイタニック」の監督(名前なんて忘れた。第一観てないし)の(あ、あれジェームズ・キャメロンだっけ??)の元嫁だって。
えー潜水艦というと「Uボート」とかが有名なんですか? 私は「レッド・オクトーバーを追え!」なら観たことあります。 これはおすぎが推してたのとショーン・コネリーが好きだったので観ました。 ちなみに「レッドオクトーバー」の主人公が活躍するシリーズの別の作品 「今そこにある危機」とかでハリソン・フォードがその役やってたりする。
で、この作品は潜水艦といえども戦闘シーンはほとんどなく 潜水艦内の人間ドラマに重きを置いてます。その辺が男性監督とは違う感触でしょうか。
物凄く息苦しい。 飛行機も同じだけど あんなにデカイ鉄の塊が人間を何人も乗せて 海中を漂っているなんて怖いんだよ。 それだけで怖いのよ。 それをハリソン艦長が無謀な訓練を繰り返すわけよ。 怖いのよ。 んで尚且つ放射能事故が起こるわけよ。 めっさ怖いのよ。 んで原子炉の修理をするわけよ。 レインコートみたいなペラペラの防護服着てさ。 死ぬに決まってるんだよ。 そんでもって実話ってわけよ。 しかもこの潜水艦ってつい最近まで現役だったって ソ連てもう本当に阿呆かと馬鹿かと。
もうアメリカに対して見栄だけで未完成の原子力潜水艦を浸水させちゃうなんて アメリカだったらありえないもんなぁ。
もう秘密裏にこんな話がワラワラしてるんだろうと思うと 恐ろしすぎるよね。
色んな兵器が開発されてる世の中で 今こうしてのほほんと暮らしていることは 奇跡としか思えない。
というよりも 今も命がけでそういったモノと対峙している人が 世の中には確実に存在していると。
あ、 ハン・ソロとクワイ・ガン・ジンの共演ですね。
あ、それから アメリカ人のクセにロシア人演じてるの変!とか言ってる奴! お前、実際にロシア語わかるのか? ロシア人とアメリカ人の見分けがつくか? 極東アジア人のクセにガタガタぬかすなよ。 お前が一番野暮だぞと言いたい。 リアリズムを追求したいなら映画も小説も漫画も読むなと言いたいです。
2003年01月01日(水) |
「オースティン・パワーズ」「マン・オン・ザ・ムーン」「ブラッドシンプル/ザ・スリラー」「トラフィック」 |
正月に借りて観たビデオ4本の感想。
「オースティン・パワーズ」 監督 ジェイ・ローチ 脚本 マイク・マイヤーズ 出演 マイク・マイヤーズ、エリザベス・ハーレー
新年一発目が「オースティン・パワーズ」ってなんかおめでたくていいよな。 でも案外期待していた分肩透かしくらったなぁ。 最近続編3作目の「ゴールド・メンバー」が公開してたじゃないすか。 その時の評判が 『やっぱり第一作目が一番面白い』 ってもっぱらの評判だったのだが・・・
期待というか想像していた"笑い"の種類が違ったかなぁーっちゅう感じ。 なんか別に爆笑できるような内容ではないんだなぁ。はぁ。 アメリカ人のセンスでイギリスギャグをやってる映画なのか? イギリス人的ユーモアを茶化してるんだか憧れてるんだか??? 97年頃っていうとアメリカではどうだったのかわかりませんが 日本では割りと"スウィンギン・ロンドン・ブーム"みたいなのが丁度あった頃ではなかったか。 若かりし頃のジェーン・バーキン出演作品や写真家ウィリアム・クラインの監督作品なんかがリバイバル上映されてましたね。 この作品にもチョロ出のバート・バカラックのトリビュートアルバムなんかも発売されていなかったけか。 そういう背景もあって公開当時この「オースティン・パワーズ」はお洒落系サブカル雑誌で随分とプッシュされていたんでは? と邪推してしまう。
ま、それなりに面白い。 B級感は抜群。それが狙いならそれ以上を望むような発言は野暮だよね。
サントラ欲しい。
「マン・オン・ザ・ムーン」 監督 ミロシュ・フォアマン 出演 ジム・キャリー、ダニー・デビート、コートニー・ラブ
困惑。 単純に泣けて笑える感動娯楽作品なのかと思っていたらすごく複雑だった。 アンディ・カウフマン的にはこの作品はOUTなんじゃないだろうか? そういう作り手の優しさが余計に観る物を困惑させているような気がする。 アンディのネタである悪役トニーやらプロレスなんかを観てると REMの曲やらなんかは"まぁ気持ちはわからなくもないけど違うんじゃない?"って感じ。 まぁ人物伝て難しいよね。 彼が残したのはネタだけで半生記を書いてたわけじゃないからねぇ。
ジム・キャリーの演技は凄く良かった。 アンディのネタも面白かった。 映画としては評価に困る。
「ブラッドシンプル/ザ・スリラー」 監督・脚本 ジョエル・コーエン 制作・脚本 イーサン・コーエン 出演 フランシス・マクドーマンド、ジョン・ゲッツ、ダン・ヘダヤ
おおげさな演出は一つもない。 無駄なセリフもオーバーな演技もにない。 小道具、光と影、空気。 きっちりと撮られた作品。 引き込まれた。
「トラフィック」 監督 スティーブン・ソダーバーグ 出演 マイケル・ダグラス、ベニチオ・デルトロ、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ
いくつかのエピソードが一つに繋がっていく物語というのは最近多く観られるようになってきたが、この作品では舞台によってカメラのトーンを変えるなどの工夫が分かりやすく面白い。 多くの人物が登場するが一人一人の人物設定がしっかりしている。 それぞれが"麻薬"というキーワードに対してそれぞれの立場を持ち行動を起こしていくのも単なる勧善懲悪を描いてなくて逆にこの麻薬問題の根深さを浮き彫りにしている形となっている。 マイケル・ダグラスの家族のエピソードはわざとらしさを感じ得ないが そうであって欲しい、そうなって欲しいというメッセージなんだろう。 これだけ長く重い作品でありながら観後がいいのは 最後の野球場でのデル・トロのおかげか。
ってなんか普通の批評文みたいじゃんか! や、面白かったよ。 麻薬が一般人レベルにまで降りてきてるっていうのは 日本でも同じことがいえるので 日本でもファッションとか風俗としての麻薬を描くだけでなく こういった真摯な目線で描く作品が出てきてもいい頃だよね。
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