人間関係について考えてみたときに、カメラを使うということについても、考えさせられることがある。
私は、たくさんの人と希薄な関係を築き上げるよりも、少数の人と深く結び付いていたいと思う。そのほうが、人間的に心地よい関係が築けるからだ。一度にたくさんの人と付き合って行く方法も確かにあるとは思うが、それは私にとって、大変な苦痛なのだ。
これをカメラに置き換えてみたとき、私は、例えば一台のカメラを徹底的に使い潰すというようなことを日頃心がけているのだろうか? と思えて来た。カメラの台数が増えて来ると、外に持ち出してやる回数も自然に減って来る。中には、一度もフィルムを通してやれないカメラも出て来たりする。これは、果たして本当にいいことなのだろうか?
初心に返って、一台のカメラととことん付き合うということも、たまには必要なのかもしれない。
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