銀色の日記
モクジイク?|モドル?|ススム?
帰りたくて 帰りたくて 毎日思うことはそればかり
母のこと 友のこと 帰りたい思いが募る
故郷は温かい場所 今は素直にそう思える 愛しい誰かが居てこそ 故郷なんだと思う
ここは寒くて、暗くて、淋しくて 誰も居ない ただ一人きり
尾道に引っ越してきて、もうすぐ五ヶ月。 季節は夏から冬になった。 この夏のことはあまり記憶にない。 忙しすぎて、疲れすぎて、夢の中の出来事だとさえ思う。 何かの節に途切れ途切れの記憶の断片から あぁそうだったと思い出す。
とにかく痩せた。 生涯で一番痩せた。 引っ越す前から痩せ始め、引っ越してからも痩せるのは止まらない。 若い時に一度39キロまで落ちたことがあるが その時は若さがあった。 まだ目もちゃんと見えていた。
痩せすぎと栄養が足りないのとでとにかくフラフラだった。 買い物に行った先で、天井がグルグル回り始め床にへたり込んで 動けなくなった時もたびたびあった。 疲れすぎて、心臓に負担も掛かった。 もともと心臓は丈夫ではないが ここしばらくは医者に行くほどでもなかったので油断していた。
本当は目を守るために、重い荷物を持ったり力仕事をしてはいけない。 が、そうも言ってはいられなかった。
視力がかなり低下した。 まだ多少良かった病気でない方の目もかなり悪くなっている。 こんな事さえなかったら、目はまだまだ悪くならなくて済んだだろう。 いずれは見えなくなる。 それは覚悟はしている。
それでも、それでも不安で仕方がない。 片目だけとはいえ、見えない世界。 真っ暗なんだろうか。 片目だけで生活できるのだろうか。 時々どうしようもない恐怖が襲ってくる。
正直、尾道に来たことを後悔している。 勢いだけで来てしまった。 徳島に帰りたい。 夜の静けさの中、電車の走る音だけが響く。 あの電車に乗って帰りたい。
徳島にはワタシの愛しいモノがたくさん詰まっている。
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