シャロウ・グレイブズ

ああ,またディヴァーを読んでしまった..

ロケハンする人ジョン・ペラム・シリーズの第一作らしい。昔の作品をリライトしたものだとかで,反則炸裂のディーヴァー節はおとなしめ。それでも面白いのはこの人の人物造形力がすぐれているから?

あるアメリカの田舎町にロケハンのためにおとずれたペラムたちをなぜか次々とトラブルが襲うというストーリー。映画ときいて,浮足立つ町の人々,丁寧だけど非協力的な警察,シンプルだけどやはり面白い。三作まででているらしいので,ゆっくり読むことにしよう。
2003年03月24日(月)

進化論の挑戦

私の大好きな科学ライター佐倉統の本。
進化論の本は最近わりと多めに読んでいるんだけど,この本は優生学との対比などを通じて,進化論の立場を明確にしている点が素晴らしいです。そして,進化論の新しい流れである,社会進化論や,進化認識学などのトピックが問題点も含めて分かりやすくまとめられていて,なんかこれを読むとイッパシの専門家になった気がしますな。進化論なんて古い学問かと思ったけれど,これを夜半とまさに最新のホットな学問だということがよーく分かるです。
2003年03月14日(金)

死の蔵書

だいぶ前に奥さんが読んでいて「面白かった?」と聞いたら「そうでもない」と言ったので,読まないでいた本。なんか書評を読んだり,評判を聞いたりすると,どうにもこれはオレ向きの本ではないかと思いなおして読んでみた。

いやー面白いではないの。古書業界を舞台にしたミステリで,コアになるミステリ部分にあっと驚くトリックがあるわけではないけれど,伏線の張りかたやミスディレクションがうまいね。最近の海外ミステリに多いタイプだと思う。でもこの小説を面白くしているのはなんといっても古書業界の面白さでしょうね。キングがやたら人気があるのに主人公が不満に思うところとか,安い本の中から「当たり」を探す掘り出し屋のキャラとか,古書店主の面々とか,「場所」と「人」が生き生きとしていますね。だから伏線も効いてくるわけじゃな。
2003年03月11日(火)

ま2の本日記 / ま2