奇妙な論理 I/II

マーチン・ガードナーの「奇妙な論理」が,なぜかハヤカワからでていたので思わず回直してまた読む。いやー相変わらず面白いわ。これは50年ほど前に書かれた疑似科学の批判本で,いわば「トンデモ本の世界」のルーツみたいなもの。ここで批判されているのは,インキチ医学(カルトを含む),UFO,超能力,未発見の新エネルギー,相対論批判,進化論批判などで,恐ろしいほど今と変わっていない。やってるやつのメンタリティも,だまされる側の行動パターンもまるで同じ。人間はなぜ科学に対してここまで愚かになれるのだろうか。

マーチン・ガードナーはすぐれた科学解説者なので,文章が明晰で分かりやすく,豊富な資料に基づいて疑似科学を批判している。ときどきこういう本を読んで頭を「クリア」にしとかないとね。
2003年02月26日(水)

青い虚空

例によって読んだ日を忘れたので,適当な日付に突っ込んでおきます。
「ボーン・コレクター」のジェフリー・ディーヴァーの本。ハッカーものということで読んでみた。

敵は悪質なハッカーで,これに対するはハッカー行為で牢屋にブチこまれていたおじさん。敵ハッカーの捜査に協力することを約束させられて,牢屋からでてきます。敵ハッカーの得意技は「社会工学」ってやつで,他人に成り済ますことです。現代社会ではIDとか電子メールとか証明書とかなんでも電子化されているので,このへんをハックすると他人に成り済ますことができます。昔のルパンの変装みたいなものだよね。どんな人間にもなれるなんて反則じゃんと思ったものだが,社会工学を駆使するハッカーってまさにその反則的存在なわけです。しかもディーヴァーって作家は反則すれすれ(あるいはそのもの)技が大好きと来ていますから,登場人物のみならず読者まで「こいつはハッカーが化けているんじゃ」と疑心暗鬼の固まりとなって読み進めることになります。

リーダビリティは抜群。反則でもなんでも面白ければいいというディヴァー節炸裂でございます。
2003年02月23日(日)

火怨 (上・下)

蝦夷(といっても北海道ではなく,いまの東北地方)の英雄阿弖流為(アテルイ)の一生を描いた,血湧き肉躍る小説でごわす。いやー燃える。ときは平安,野蛮人と軽蔑されてきた蝦夷の地に黄金が出土して,朝廷は蝦夷征伐に乗り出します。これに立ち向かうのが,若きリーダー阿弖流為を頂点とする蝦夷の将たち。最初から男泣きシーン続出で(ってオレは泣かなかったが),分厚い文庫二冊があっちゅーまに読めてしまいます。
2003年02月17日(月)

ま2の本日記 / ま2