2006年10月31日(火) ゆるゆると
 

少し息を抜いたくらいの 恋がいい

明日も
明後日も
来年の今頃も

隣にいたらしあわせだと
思えるくらいの 恋がいい





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2006年10月30日(月)
 

なにをうだうだ振り返ってばかりいるんだろう
今一番なくさないように大切にするはずのものがこんなに近くにあるのにね





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2006年10月25日(水)
 

消えてほしいと
願った記憶を

今は
時に手繰り寄せるように
思い出す

もうその睫の先も、服のすそも、髪の毛の色も
しぐさや声の通り方、口癖なんかも霞んでしまって
どれが本当だったかすらもわからないけれど

すみっこにぶら下がるように
残った記憶を撫ぜるように思い出す

あんな風にひとを好きになったことを
その恋が死んだとしても
わたしは後悔してないよ





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2006年10月23日(月)
 

黙ってしまう癖を直したい

奥歯を噛み締めても
手をぎゅっと握っても
笑顔を作らなくても

はがゆいほどに
言葉にしないと
何も伝わらない

泣かないふりなんて、してる場合じゃないんだ





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2006年10月13日(金)
 

どんなに意地張ったって

こんなときにそばにいて欲しいのは やっぱり君だけ





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2006年10月12日(木)
 

ことりと心に落ちてくる


君の声
聞き逃さないように
耳を澄ませて

わたしを捕まえて





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2006年10月06日(金)
 

白い部分があると不安になる
全部書き潰して
何が必要なものだったかとか
分からなくなるくらいがいい

大事にポケットにしまったって
きっとわたしは大事だったことすら忘れて

あとで思い出して泣くくらいなら
全部塗り潰して
考える隙すら
与えずに





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2006年10月03日(火) Last smile
 

夜の静寂をかき消すように
イヤフォンに耳をうずめて
部屋の隅っこ

背中を丸めて
つま先を齧ったら
小さな痛みで
すべてが消える

消えそうな記憶を
何度かき集めて
何度いらないものだと
気づくんだろう

6分40秒の曲のあいだに
息を吹き返す
記憶の波に
連れて行かれないように
夜の静寂に
飲み込まれてしまわないように

音量を上げて
部屋の隅っこ
滲むくらいに爪を噛んで
曲が終わってしまうまで
きみの名前くらいは 思い出すことを許して





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2006年10月02日(月) Humming
 

鼻歌を歌おう

季節はずれのひまわりが
道路を横切る黒猫が
空を覆う雨雲が
後輪がパンクした自転車が

いまそこにあることを
鼻歌に乗せて歌おう

どこに届くか
だれに届くか
知らないままに

いい加減な歌詞に
バニラの匂いのリップクリーム
かかとを三回鳴らしたら
今にも雨が落ちてくる

鼻歌を歌おう
いまここにいることを
鼻歌に乗せて
ゆっくり歩いておいでよと

座ってばかりいた
いつかの僕に
届けばいい





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2006年10月01日(日)
 

しとしとしと

雨が降る

両の眼から
雨が降る

君と出会ってから
よく泣くようになった
心が壊れそうになる
感覚を
知るようになった

しとしとしと

雨が降る

今夜も
君を思って雨が降る
雨降って地固まるなんて
僕の大地は固まりそうにもなく
水たまりに、吸い込まれ

しとしとしと

雨が降る

いつかこの雨が
僕の肥料になれば
いいけれど

苦笑い

嬉しくも悲しくも愛しくも
今夜も
君を思って雨降らす





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