突然降り出した大粒の雨に 窓に鼻を押し付けるようにして 見上げた
アスファルトのにおいが鼻をくすぐる 雨を降らした雲が去っていく 当たり前のように 流れるように 時間は過ぎていく
おいで とわたしを呼ぶ声が どこからか聞こえるけれど
ありがとう でもごめんね
わたしはまだそこへはいけない 腐ってしまったかのように足が動かないから もう繋いで歩いてくれる手のひらもどこにも無いから
当たり前に過ぎていく日常の中に 飲み込まれるようにして ただぼうぜんと、それらを見ている
どこか遠く離れた君が もうどうでもいいはずのわたしを呼んでくれているけれど
ありがとう でも、
わたしはまだ、どこへもいけない
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