2003年10月28日(火) けれどたしかに
 

たしかに
ここは
ふたりきり

聞こえるのは君の息遣い
空気の振動
騒ぐ窓

たしかに
ここは
ふたりきり

幾度もひとつに
けれどたしかに
わたしたちは
ひとりきり

悲しくて
愛しくて
胸が焼けてしまいそう





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2003年10月27日(月) いま、そんな恋をする
 

君がその震える指先で
わたしの肌を滑った瞬間
わたしはきっと忘れない

痛くて
寂しくて
悲しくて
そして惨めで
臆病だったわたしを
君以外誰にも知られたくない
同じように

君の手のひらは傷だらけだけど
大きくてあたたか
筋肉がついた腕は枕には痛いけど
わたしをすっぽりと包む
そういうの、誰にも気付かれたくない

君でいい
わたしでいい

悲しい けれどあたたかい
いま、そんな恋をする





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2003年10月24日(金) いま、同じものを見ようか
 

冷たくなった地面に腰を下ろして
風が揺らす葉の音に耳を澄ます
隣に手を繋いだままの君がいる

雲がゆっくり流れていって
水が静かに溢れていて
青い空は遠のいて
冷たい空気が鼻をツンと通り過ぎる

せっかくだから
君に教えてしまおうか
わたしの愛しいものたちを

冬の空は高く高く遠くなる
わたしはそれを見上げて
鼻をスンとすする

隣にいる君の手のひらがあたたかい
せっかくだから
いま、同じものを見ようか





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2003年10月11日(土) 世界の中心で
 

光が差し込む
睫毛に露が落ちてくる
眩しくて、手をかざす
君が笑っている

私は
世界の中心で
心を見つけた

光が差し込む
岩に足を滑らすと
君が手を差し出す
胸が痛む

愛だと知る





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