2003年07月28日(月) さよならを言いに行こう
 

世界の片隅の
限りある時間の中で
君に出会えたらいい
もう一度君に出会えたらいい

愛を叫ぶわけでもなく
涙ながらに訴えるのでもなく
ただ、君に出会えたらいい


さよならを言いに行こう
私の心を置いてこよう

世界の片隅の
限りある時間の中で
もう一度
苦しいほど愛した君に、会いたい





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2003年07月27日(日) 世界は涙で満ちている
 

硬くなったくちびるに触れて
もっと水分を含みなさい
と君は怒る

世界中の湖の水を飲み尽くしても
きっと私はカラカラだろう

飲み込んだ以上に
私は雨を降らしている

世界は涙で満ちている
私はいつかサハラの砂漠になる
そうなる前にどうか満たして

いつだって私は雨を降らしている





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2003年07月16日(水) 小指と小指が
 

小指と小指が触れ合う距離
ぼくたちはそのくらいじゃなくちゃ
満足できなくて

遠くにいる君も
同じ気持ちだと言うのにね

今夜は
小指と小指は触れ合えないけれど
軽く指をつまむから
遠くで痛みを感じてください

遠くで
ぼくを感じてください

それは幸せとは言いがたいけれど
とても暖かい痛みです





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2003年07月06日(日) 人魚姫。
 

丸くなって
水の中に飛び込んだら
泡になって消えれるだろうか

私は丸くなって
魚の泡となって
消えるだけ

君の心に残れもしないで
魚の泡となって消えるだけ

私は海の涙になる





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2003年07月05日(土) たとえば君と私とか。
 

騙されたと思って食べてみれば
と赤く塗ったくちびるは
いつのまにか君のもの。

運命の女の子を捜して
天高く伸ばしてた頭の上のアンテナは
いつのまにか私のもの。

くちびるで拭われた紅と
私の手でへし折られたアンテナ。

もう必要のないものと
これから必要になるもの。

私たちは
沢山手放して
きっと色んなものを手に入れる。

たとえば
君と私とか。





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2003年07月04日(金) それは愛だったと、
 

指先を絡ませただけじゃ
気持ちは伝わらないこと
私は十分に知っていたのに

あの時
肌を通して
伝わったものは
愛だったと、今でも思う

私はもう
君がいなければ
私でないような気さえするよ

それは愛だったと、
今だから思う





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