2002年07月25日(木) 君はいつまでも君のままで
 

まだ乾いてないコンクリートの上を
ぺたり ぺたり
歩いてしまったように
癒えきってない心に
君の足跡だけ小さく残った


乾いた後じゃ
どうやっても足跡は拭えなかったけど
この小さな君のつけた傷跡が
どうしようもなく愛しかったりする


愛はいつまでも愛のままで
変わらずこのまま胸に残る
君はいつまでも君のままで
私の心の片隅に、ちょっとだけ陣取って


胸をはって好きだとはもう言えないけれど
君はいつまでも君のままで





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2002年07月12日(金) 伝わる
 

枕もとで
眠たい目をこじ開けながら
すこし先の未来の話をした


月の出てない夜だった
青白く光る灯りの下では暗すぎて
あなたの表情が見えなかった


見えない未来の話は嫌い
あまりにも遠すぎて
目が眩んでしまうから


心地よい体温を
全身で感じながら
ほんの少し先の、花火の約束だけして眠った


月の出ていないまっくらい夜だった
けど、微笑んでいたでしょう?
なんとなく、体温で分かった





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2002年07月11日(木) ハピネス
 

右手、人差し指の指を
彼の背中に滑らせる
悪戯に微笑んで
ぺろりと舐める


すこししょっぱい
幸せの味だと笑った
多分わたしの体も幸せの味がするんだろう
だって彼が笑うから





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2002年07月10日(水)
 

真っ白いシーツに身を転がして
青く塗った爪を
ヤニ臭い壁

突き立てる


わたし以外に
誰もいない息苦しさと
心地よさ


見ているのは
壁に貼ったポスター
の中のおとこ、だけ
BGMはシド&ナンシーで
指を光らせ
身をよじる


そういえばわたし、煙草吸わないんだった
愛する人を急に思い出す


ひとりの心地よさと
虚しさ
明日の夜もきっと





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2002年07月09日(火) はだか。
 

泣きたくないんじゃない、泣けないんだ
甘えたくないんじゃない、甘えれないの


可愛くない女だっていい
愛想つかされたっていい
ほんとは、よくない


好きで可愛くない女な わけ ない
きみが全部脱がしてくれるの待ってる


強情な
上着を一枚ずつ
根気よく
剥がしてくれるの、待ってる


あまりに厚すぎて自分じゃ身動きできないから
脱ぎたくないんじゃなくて
脱げないの





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2002年07月08日(月) なみだ
 

光の反射で
透明から ブルーへと
色を変えるこの石と


優しさを貰っても
弱い自分をさらけ出す
ことの出来ないわたしは


とても似ているようで
まったく別もののようで


たっぷりと光をはなつ
蛍光灯の真下で
くるくると透明な石がはまった
指輪をまわした


いつのまにか隣に君がいない
ため息、通り越して
ソファに埋もれる


こんなだから気付かなかったのだろう
この石が光を集めて青くかがやく なんて
わたしはひとりで泣けない なんて





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2002年07月07日(日) たなばた
 

雨の記憶 しかないこの季節
今日は、
離れ離れの恋人同士のふたりが
唯一 触れ合える日 なんだそうです


今日、こっちの地方の天気は晴れ 間違いなしです
わたしは 恋人とは会えませんが
記憶に残っていない星空でも見ようかと思っています


織姫と彦星なんて見たことないから
いつもズボンであぐらをかく織姫と
スルメばっかり食べる彦星でも想像して


愛をはぐくめ
なんて、しょうもないこと祈ります


7月7日、世間は七夕です
短冊は、心の中です





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2002年07月06日(土) アクトレス。
 

見ていない と思って
ペディキュアの色をそのままにしていたり
はみだしているのも気にしなかったり
していたけれど


「あれ、今日は色が違うね」
と言われて、思わずドキリ


こんな小さな所を 見ているきみに?
いやいや、ガサツなわたしに


今度 会う時は
きみの好きなピンク色でも塗っていくから
楽しみに、ね。


なんて、「彼のために可愛い女を演じる自分」に浸る





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2002年07月05日(金) チェック
 

感じるフリをする時って
てのひら と 背中 が乾いているらしいです


そんなことを終わった後に彼が言うもので
次からヒヤヒヤもんではないですか


夏だから
嫌でも湿気ると思うのですが


彼だから
嫌でも湿気ると思うのですが


変な意味ではなくて。





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2002年07月04日(木) 飽きたら消して、又塗って。
 

ストロベリー色のきれいに切りそろえた爪を
ちらり、と眺めて
外した指輪はどこへいっただろうと
思考を濁らせた


恋愛もこんな色だったら
甘く楽しいのにね と
自分の考えに嘲笑う


他人 との関係は、常にグロテスク
で黒に近い混合色


手放しかけてた意識をプツンと断ち切って
指輪ではなく除光液をとりにいく
思い出すのは
立ち込めるシンナー
たとえば、君との関係





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2002年07月03日(水) 昨日の服をわたしごと
 

ごうんごうんと
唸り声を上げる洗濯機に
昨日の服を着たわたしごと放り投げた


ミートソースの染みを
真っ白に消してしまおうと
必要以上に洗剤を注ぐ
ただひたすら洗濯機の前で
洗い終わるのを 待った


真っ白になるのがなにより恐く
何も知らぬ頃に戻るのが
ミートソースの染みを恥だと思うのが
大切なものをなくしてしまったと知ることが
何より恐かった


いろんな色を付け足していたわたしは滑稽だったろう
ミートソースの染みさえも若気の至りだと誇りにしていた


今また真っ白になる
戻りはできないが全部落としてしまう
この洗濯物が乾く頃には
また汚れてしまうかもしれないけれど


それまで、裸を楽しむか
洗濯機の前 ひとり
色のない顔でニヤリ 笑った





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