ごうんごうんと 唸り声を上げる洗濯機に 昨日の服を着たわたしごと放り投げた
ミートソースの染みを 真っ白に消してしまおうと 必要以上に洗剤を注ぐ ただひたすら洗濯機の前で 洗い終わるのを 待った
真っ白になるのがなにより恐く 何も知らぬ頃に戻るのが ミートソースの染みを恥だと思うのが 大切なものをなくしてしまったと知ることが 何より恐かった
いろんな色を付け足していたわたしは滑稽だったろう ミートソースの染みさえも若気の至りだと誇りにしていた
今また真っ白になる 戻りはできないが全部落としてしまう この洗濯物が乾く頃には また汚れてしまうかもしれないけれど
それまで、裸を楽しむか 洗濯機の前 ひとり 色のない顔でニヤリ 笑った
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