立ち止まりたくない立ち止まったら色んなものが見えてしまう駆け抜けてこの現状から抜け出したいもっと早く彼女に嫌味を言う前にこの場所から逃げ出したい
ゴトンゴトン電車に揺られながら肩にかかる君の体重が心地よいゴトンゴトン何故だかこんなにも眠気を誘う音に静かに瞳を落としていって目的地とは逆の方向に永遠に進んでいく間違えた電車に、二人優しく揺られながら歓迎してくれなかった空を置いて涙の足跡だけ残して私は地上に帰ります
気まぐれなハーブティーは小さなドーナツを午後のデートに誘い甘いシナモンと仲良くなり酸っぱいレモンに恋をしますずっと一緒だと思っていた花柄のスプーンはテーブルの上でずっと帰りを待っていたのに気まぐれなハーブティーは甘くて良い香りで君にとても良く似てる
目が合ったら 逸らしたくなる背中を見たら 触れたくなる駆け出したら 捕まえたくなる話していたら 泣きたくなる手が触れたら 溶けたくなる他のもの全部消していいそのほうが、あなた以外考えなくていいあと少し唇に届かないけれど許されるなら あなたのもの、全部奪ってしまいたい
あなたしか見えないほど激しく恋をした周りなんかどうでもいい何もかもがむしゃらだったさよならすら言えないほど恋は呆気なく終わって今はあの楽しかった日しか見えないよ明日も明後日も明々後日も、未来は白すぎて私は色とりどりの過去に魅せられたまま誰にも心を開かぬまま過去のあなたに唇を寄せる
スタートそう心の中で呟いて私は道を走り出した障害と言えそうなものは人と電柱くらいしかないゴミだらけの平坦な道人にぶつかりコンクリの段差に足をとられ空き缶につまづき何もない所で転ぶこんな道、彼なら息も切らせず走り抜けるまた私は負けるのか体中に出来た擦り傷抜けきれないまま私は淀んだ雲の中にいた
私は寂しいのを理由に君の隣りに居たのではない二人で笑うのが、二人で一緒に過ごすのがとても心地よかっただけでも何故だろうこんなに近くにいるのに前より寂しいなんてどこか遠くを見てるような君の隣り今は寂しいのを理由に誰かに寄り添ってしまいそうだ君ではない誰かに
君がどこかに行ってしまったらどうしようと私は騒いでばっかりで私が何をしたらいいかなんて何も考えていなかったいなくなって当たり前だ
あなたは明日の夢を見るわたしは昨日の夢を見るどこでこんなにすれ違ってしまったのだろうもう一緒に今を見ることは二度とない
夢のなか現実今はどっちなんだろう尋ねる人が誰もいなくて朦朧とした意識の中で私は確かに叫んだ夢のなか現実今がどっちである事を私は望んでいたのだろう
物事の順序とか理屈とか過去の例とか全部取っ払って目の前の彼女を見てあげなきゃ駄目でしょ恋してるのは自分でしょ今しなきゃいけないものなーんだ
ケーキを切って慣れない手つきで紅茶を入れた震える指を必死で支えてケーキを口に運ぶいつもと違う風景でも見ていなきゃ気が狂ってしまいそうだ君のいない風景に馴染めなくて慣れない手つきでケーキを食べた服についたクリームさえも今は気にならない睫毛に残った滴が氷砂糖みたいにきらきら光る君なんていらない胸に焼け付いた言葉を全部出し切って砂糖を心に押し込んだ
「空きれいだった?」部屋に帰ってきたオレにアホみたいな質問を彼女は投げかけた「はぁ?」「何、あんた何しに行ったのよ」あぁ、そういえばタバコ買いに行くいい訳に空を見に行くとか言ったっけそんなへたれなウソに騙されんなよ「きれいだったぜ〜い」「あっそ、禁煙やめたのね」このクソアマオレは心の中で呟いた。←あくまで心の中で
自分で自分の喉を潰すみたいに何度も何度も愛を歌った届くわけはないともうとっくの昔から知っている私はこのまま此処に置いてきぼりなんだそれでも歌った何度も何度も愛を歌った願いは空を貫いて神様の命を燃やして怒りに身を任せた星達が炎を帯びて降ってくればいい誰のために分からないけど私は愛を歌ったきっと、自分をこの場所から解放するために
出会った頃はあんなに幸福を噛み締めていたのにまるで私たちは憎みあう為に愛し合っていたみたいだね
君は知らないあなたの腕の中がどれほど居心地が悪かったかなんて強く掴んだ爪の跡がどんなに長い間肌に刻まれていたなんて自由を縛られるのも首筋に印をつけられるのも視界をふさぐ腕の中も嫌だった必死で逃げ出して初めて見た空は記憶に残っている澄んだ青ではなく一面を雲にふさがれて真っ白だった逃げる場所なんて無いと私に言うかのように
論理とか常識とか本当にどうでもよくなった誰に見られていてもいいがむしゃらに壊してしまいたい噛むように唇を合わせ壊れていくのは私かもしれないと零れた涙の存在と共に知った
彼が強引に私を裂いた後私は流れ出す液体をそのまま彼のお気に入りのシーツに流したこんなもの、汚れてしまえばいい私が彼に対して唯一できる小さな反抗
うまくバランスが取れないこれは夢、それとも現実?なんて悪趣味な鏡だろう周りのものすべて消して私しか映さないなんてうまくバランスが取れない音がひとつ遠く聞こえたり戻ってきたり知ってる、これは夢なんだこんなに体が傾いているのも夢のせい何も見えない何も聞こえないバランスが取れない
私の中に私が居るまだあなたを想って泣いている幼い私それを必死に隠そうと無理に大人になった私本物は、どっち?
もう自分の気持ちが分からないだなんて言わないでこれ以上わたしは待ちきれないあなたがすべき事は抱きしめるか、手を振るかその気もないのに返事を持っていくのはずるいわわたしがあなたを好きだから許してしまうの知ってて逃げてしまうなんて、ずるすぎる
いつもと少し違う色合いの服を着て出かけたなんか風が呼んでいるような気がして足取りも軽やか寒さで頬が赤く染まった空が優しいこのまま、死んでしまおうかとも思った少しだけ幸せなうちに
懐かしい風心地よい温度優しいくちびる過去に置いていくには悲しすぎていつまでも思い返しているこれから先にこれ以上人を想えるかと時に不安になって今日も丸くなって眠る寒さに、怯えなくてもいいように
始まりなんて曖昧すぎて忘れてしまったきっと最初に触れたいと願ったのは私このまま一緒にいたいと呟いたのも私終わりは まだ考えられない突然音も無く終わってしまうのかもしれないあなたがそう願ってしまうのかもしれないけれど今はまだこのままだと私は信じて疑わないこれからずっとこのままあなたをずっと好きでいたい
わたしはこのまま飛びたてるほど強くない長い時間はかかるけどちゃんと歩いてそこまで辿り着いて見せるから弱いわたしでも愛してね
何でこんなに不器用なのかと首をかしげる私の元に繋いでおきたい男は私が繋げば繋ぐほどそこから逃げ出そうとムキになるいっそ首輪でもつけてあげようかと言うと男は舌を噛み切って死んでやるよと言ったやれやれお互いこんなに好きあっているのに伝わらないなんて何でこんなに不器用なのかと私は首輪を投げ捨てた
どうしても自分の力で解決できない事を泣き喚いて嘆くより友達や家族にほんの少し力を貸してもらうことが大切か今になってよく分かる
新しい時間のはじまりは軽くドアを叩くだけはじまりは簡単誰にでも平等それから先がどうなるかそれは自分の目で確かめて