いってらっしゃいのキスはおでこに転ばないよう願いを込めて笑顔の「ただいま」で帰れるように私はここから手を振るから安心していつものように眠っていてね
新しいスニーカーを見つけて公園まで散歩に出かけた鳩のお昼を邪魔しないようベンチに腰を下ろす私の隣に君は居ないけど同じ太陽の下で同じように息をして同じようにその目で何かを見てるため息はベンチに残して私は家まで走って帰る息切れしながら零すのは涙より汗のほうが綺麗だとその日初めて気がついた
私、あなたが好きですそれだけで十分だったはずなのにあなた、誰を想っているの私、どこまで欲深くなるの伝えることも出来ないまま自分の心に潰される
小さな蜘蛛が会いに来た蜘蛛は透明な糸を垂らして足早に次の場所へと向かっていく夏を残して小さな蜘蛛が私に会いに来ていた
たくさん涙を零したらあなたの顔が空に滲んで笑っているかのように見えた今度はもっと素直になってあなたの所に走っていきたい本当は誰よりもあなたを抱きしめていたかった
私に、あげられるものは何もないこの小さな体では抱きしめることも出来ないでしょう?私には小さな小さな言葉しかないのですそれでもあなたに届けたいから小さな言葉にリボンを巻いて伝えたいから渡しに行きます午後3時、ドアの鍵は開けておいて言葉を抱いて、あなたの所に届けに行きます
一段違いの階段駆け上がってもあなたの歩調はもっと早くて上っても下りても同じ位置には立てなかったもう、すれ違う事しか出来ないあなたにさよならと言えないさよならも、言えない
その白い手を握って広い高原を駆け抜けた空と大地の境界線は曲線を描いて目の前に其処に辿り着けないのは其処がゴールではないから終わりは待っていないいつだってまた走り出せるよ動けないときは雲の流れを目で追って飽きたらまた進むだけその白い手を握って広い高原を走り抜ける君の笑顔はいつだって僕に元気をくれる終わりは此処じゃない
いくら大きいって言ったって空気をいっぱい詰め込んだだけの中身スカスカの幸せなんていらない小さくていい見えなくてもいいそこに小さな微笑が生まれるそんな小さな感情に幸せって名前を与えてあげたい
誰に認められなくとも構わない自分の足取りは確かなもので私の瞳は前を見つめてるそれだけで一体何を間違えていると言うのだろう背筋はいつも直線で涙を流しても私は私と一緒に居てあげればいい
太陽の匂いのこもった服に身を包んで床に転がったら不思議と彼と一緒に居るような感覚不思議な暖かさが心地よくてしばらく起き上がれなかったこのぬくもりのように彼が確かなものだったらとだんだん消えていく太陽がくれたぬくもりを抱いて私は今日も瞼を落とす
そのままでいてと願うほど君の姿は透けてしまう傍にいてと願うほど君は遠く離れてしまう何も願わなければ君はきっと僕のことを忘れてしまう君の存在はいつも霧のようで心に冷たい風を置いていくだけ
君の記憶から私が居なくなっていれば良かったそうすれば、また隣に座って始めれたかもしれないのにね君の記憶に私が居ることを確認するたびにそれを願って確認するたびに嬉しくて溶けてしまいそうです
一歩も、動けないという焦りもう駄目なんだという絶望感私の心に残っている、虚無間全部が私を食い尽くしてこの世に存在しなければ良いのにと歪んだ涙を見て願う消えてしまったほうが、楽なのだ
私は泳ぐ狭い水槽の中この世界がすべてだと信じて私は泳ぐいつもの餌を食べ本当は外の世界を羨んで私は泳ぐ空気に触れながら生きることは出来ないと知りもせずに外を見ながら私は泳ぐ
彼はヘビースモーカー私の服に髪に肌に煙の匂いを植え付けてせっかくつけた甘い香水の匂いを消していく彼はマジシャンタバコが嫌いだった私にタバコを許させた、ただ一人の男
私の心に住み着いた小さな蜥蜴あなたに触れられそうになったら小さな証拠を落として逃げていく本当は触れて欲しいくせに私はただ怖いだけ
リップにはたくさん水分含ませてまつげには繊維をたくさん与えてあげる誰でも変身できるよ、女だもんでも一番変身するのは好きな男の前ですけど
白いスニーカー香水の匂いのするポロシャツ短い髪の毛サンバイダー好きなものいっぱいその好きなものの先にはいつも君
昨日までは大丈夫だったのに今日は急にだめになる私は臆病者らしい声が聞きたくて仕方がなく受話器を手に取ると絶望感に襲われるきっとこれは無駄な抵抗明日には大丈夫になるから最後のボタンは押せないまま治療薬にも劇薬にもなる君の声は聞かない方が良い死んだように安らかに眠ろうそれがただ目を背けているだけだとしても
迷い、悩み、泣く、私に彼は生きているからだと教えてくれた何かを必死で見つけることなんかないよと生きてるだけで十分なんだと感情を持つことが大切なんだと彼は教えてくれた
前髪を3センチほど切りたい。後ろも揃えてボブにして明るい栗色なんかに染めてみて。新しく買ったピンクのスカート翻して日差しの下を走り抜けよう。きっかけを作れば後は簡単な気がする。前髪を3センチほど。ハサミを持つ手が震えた。
見てるだけで良いなんて言えない。好きだから我慢できない。
あせらず一緒に居よう無理な願いは捨てて一番無防備な自分でいよう君が大好き
恋なんてすぐできるってあー恋ってそんなもの?じゃあ、あたししなくていいやなかなか好きになれないから無限大のパワーになるそう信じていたいんだ
時間に逆らって生きるなんて無理だと今まで生きてきて思ったそれでもまだ時間はたくさんあるので流れに乗ったり逆らったりしてみるのも構わない大切なことはいつだってひとつとは限らないそう教えたのも時間だからだ
ただ目を見て寄り添うそれだけのことがなにひとつまともに出来ないただはぐれた気持ちだけが絡まっていつも赤い糸は切れてしまうお願いです、夢の人赤い糸などなくていいからどうかその手で触れていて欲しいものは純粋だった心もう一度寄り添える日がくるのなら糸など切って自分の手を私は信じるはずだから
今になって気づくこときっかけを与えたあなたがどれだけ傷を与えたかということ生きるも死ぬもあなた次第生かすも殺すもわたし次第もう触れないで欲しい
夢を見て現実を受け入れる。こんな単純なことが重なって僕らは大人になってった。