「仕事がやれる人って、好きです」





「…照れるでしょ、そういうこと言うと」





私が彼に何かの感情を与えることは珍しいので、
嬉しくて、頬を寄せる。





「好きです」










嘘偽りない、本当の気持ち。
今の私が、手放したくない人。




それが寺島じゃないことを、
寂しく思う私は、消えてしまった。
今の私に、寺島は、
この人より魅力的には映らない。




当たり前だ。
別れて、1年が過ぎて。
これまでに、いろんな出逢いが私にあったのだから。







こんな私に、一体何を求めるの？
ユミちゃんもいて、一体何が不満なの？



振り切ろうとした私を、追いかけてきて。
今更、

「好きだから」

なんて、遅すぎる。
ユミちゃんと別れる気もないくせに。







もう私、何にもしたくない。
今は杉本さんの傍にいられればいい。

君を愛するのは疲れたの。
上書き保存は、ほぼ完了してる。




私が必要なら、示して見せて。
態度で、言葉で、ひいては物で。