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2002年02月26日(火) インスブルックにいってました(1)

インスブルックは山に抱かれた街である。フランクフルトからプロペラ機でごとごとと1時間半、常に陸地を眼下に見ながらゆっくり飛んでいくと、やがてゆるやかに蛇行する河に沿って細長く開けた土地へと入っていく。闇に白い漆喰の壁を浮かび上がらせる古めかしい街並みへ、低く低く飛行機は近づいて行き、やがて細長い街の先、U字谷の底にある空港にぶるぶるぶると唸りながら着陸した。
Innsbruck。イン(Inn)川にかかる橋(bruck)という意味だという。どこでも同じような由来の名前をつけるものだと思う。平地に流れる河が適度な幅と流れをになった時、人はそこに橋を作り、対岸との交流を始めるのだろうか。
1964年と1976年と2度の冬季オリンピックを開催した国際都市とは思えないほど、小さい空港である。もっともヨーロッパのほぼ中央に位置するチロル地方の中心であり、東西のヨーロッパを結ぶ鉄道の要所でもある。欧米の選手が殆どを占める冬季オリンピックでは飛行機の出番はなかったかもしれない。空港のATMでいくらかユーロを引き出す。まだ新札ばかりである。タクシーでホテルへ。
スキー客でごった返すロビーを抜け、チェックインを済ませる。あてがわれた部屋は最上階の屋根にあたる部分。両開きの窓を開いてベランダに出ると漆黒の闇に星が瞬いている。しんと静まり返った夜気が入り込んでくるが、あまり寒くはない。ベッドの上に羽毛掛け布団が一人分ずつポンポンとたたんで置いてある。ドイツ式というのだろうか、まさに一人分の幅しかなくて日本の布団よりも細い気がするが、面倒な割に寝苦しいだけのベッドメイキングよりずっと合理的だと思う。これを見ると昔、学生時代に夜行電車で一人ケルンの街についた朝、ガイドブックの切れ端に載っていた安いホテルで小さなベッドでちいさな羽根布団に包まって寝たことを思い出す。
ぱたぱたとシャワーを浴び、顔を洗い歯を磨き、目覚ましをセットして、小さな羽毛布団にばふっと包まってまずは眠ることにした。


2002年02月25日(月) 新しい味

昨夜のテレビで、親の知らない女子高生の食生活、というような特集をやっていた。コンビニ調達の食材をあれこれと組み合わせて新しい味を作り出すのだという。沸騰した牛乳を注いで作るカップめん、もち入りかぼちゃスープ、お湯でふやかしたスナック菓子にマヨネーズ掛け…etc。ジャンク オン ジャンクというか、まさに食の無法地帯である。
画面に映る女子高生はインタビュアーの問に答えて、新しい味が食べたいのだ、という。「みんな、なんで飽きないのかな。同じ味ばっかりじゃ飽きちゃうからどんどん新しい味が食べて見たい」。
きっと彼女達は、しみじみと美味しい素材の味や、澄んだお出汁の味、旬の野菜やこっくりと飽きのこない味などとは無縁の生活を送っているのだ。グルタミン酸ソーダに塗りつぶされた舌、といおうか、マットな味にマットな味を重ねて、何を食べても変わり映えしないのだろう。
テレビでは家庭の味を省みない彼女達を驚きを持って伝えていたが、多分、彼女達の家庭の味も、要は混ぜるか混ぜないかの違いだけで、結局はグルタミン酸ソーダに支配されたマットで画一的な世界なのだ。彼女たちの親の世代は私と同じかちょっと上の、カップ麺の登場に目を丸くし、マクドナ〇ドのハ〇バーガーが輝いて見えた年代だろう。放課後の腹ごしらえにカップ麺、塾帰りにマクド〇ルド、とグルタミン酸ソーダと友達のように育った仲なのだ。
そういう親たちの食生活を先天的に引き継いだ彼らは、幾通りものありえない組み合わせで今日も「新しい味」を作り出していく。


2002年02月16日(土) 「ぴくりともせず嘘をつける」

日記を辿って辿って、「ぴくりともせず嘘をつける」のがいい女の条件だと考える、という記述を見つけてちょっと目が止まる。そう書いている彼女は、嘘をつくと顔が真っ赤になってしまうひとである。
私の職場には、まさに「ぴくりともせず嘘をつける」女性がいる。顔がきれいで、わかってなくても「はい、わかりました」と平然と言ってのけることができ、疑問に思って調べた人が後から間違いを指摘すると「そうですよ」と済まして答えることができる。彼女の部署はコールセンターも受け持っていて、電話の受け答えはパーフェクト。オヤジの繰言はにこやかに受け流し、こまやかな心遣いで男性諸氏からの支持は絶大。頼りになる人ではある。でも悪気なく結果として陥れられたこと幾たびか。
日記の彼女が「ぴくりともせず嘘をつける」人でないことがうれしい朝。すでに充分いい女ではあるのだし。


2002年02月15日(金) 業務時間中に

会社で報告書を作っている振りをして実は日記を更新してみたりして。
日中、外にいるときはいろいろと心に浮かぶことがあって、
家に帰ったらそれを日記に書こうなどと思っているのに、
家に帰るとすっからかんとそれらのことが頭から消えているか
あるいは画面を見つめて文章を書こうなんて気にもならないほど目が疲れていたりするので結局は書かないまま。で、今書いてみたりして。はははは。
1日24時間1週間7日間、平等に時間は与えられているというのに私はそれを目一杯使い切ることも、使った記録すら残さないまま、つまりはつまみ食いのような状態で時間をつぶしているのだろうか。行動範囲も狭く、行動時間も短く、それはまるで年式の割に走行距離の少ない自動車のよう。セコハンショップでなら高値で売られていくかしら。


2002年02月11日(月) 寒空のガーデニング

日〇谷花壇の頒布会でガーデニングコースを利用しているので毎月、花やプランターが届く。この冬の寒さにも容赦ない。夏の暑いときは植えるそばから熱でちりちりにやられてしまうが、この寒空では外で土いじりをしている私がちりちりと熱を出してしまいそうである。
このコースはプランターが送られてくる回は半分以下で、あとは毎月送られてくる花を指示に従って植え替えるようになっている。我が家のベランダは南向きで柵の部分は強化硝子がはめ込まれおり、夏の暑い時分は植物にとっては灼熱地獄だが、冬は外気から守られている分、一種温室状態で花のもちがいいらしい。
というわけで、植え替え時期がきているにも関わらずなんら問題なく居座っている花たちも…。もともと送られてくる苗も上質で丈夫なので、長持ちしがちなのであるが、それにしても初冬に送られてきたストックとシクラメンの鉢は今回植え替え対象となっているにも関わらず丸ごと元気なのである。しかたないので、他の回に送られてきたあまりはかばかしくないセットを、さらに夏がとっくに通り過ぎて生ける屍となっているバジルの鉢を追い出して後釜に据えることにする。
冬色の花が咲き誇っている鉢の脇で、本来そこに入るはずだった春色のブルーデージーたちが寒さに震えている。


2002年02月09日(土) 〇〇とは

日常生活で「なんじゃこら?」という未知の言葉にあたると、とりあえg00gleにキーワードを突っ込んでみる(下品な言い方である)。全文検索なので歌詞やセリフの一部分でもあたれば出てくるところがすばらしい。職場で使っているブラウザにはg00gleの検索窓をツールバーにつけてあるので、時として業務に関係のない事柄まで果てしなくどんどん調べてしまう。
ところでg00gleで未知の言葉を調べる時、最近ちょっとしたコツを掴んだ。やり方は簡単。調べたいキーワードのうしろに「とは」とつけるだけである。キーワードだけを入れると、そのキーワードそのものがヒットしてしまい、用語解説抜きでフツーにわかっている人にしかわからないページが出てきてしまうが、日本語では「〇〇とは」で始まると「××のことです」とか「××をさします」とかで終わる説明文となることが多いので、初心者や門外漢向けのページにヒットする確率が高いのだ。「検索エンジン使ってもたくさんでてきれどれがいいのかわからない」とか「できるだけ詳しく条件をいれてもでてこない」なんて言ってるそこのアナタ!(誰?)、お試しアレ。
応用編として「長らくのご利用ありがとうございました」なんて入れると解約時の手続き文書が出てきたりするので、ビジネス文書の雛型をパクる時にも便利である。


2002年02月07日(木) 小エビあるいはカニ型

先日ご紹介したcrab moldのレシピ:
アメリカのサイトで見つけたので、exciteの翻訳サイトで和訳させてみました。
さあ、あなたは原文の復元。あるいはそれに基づいての調理を完成させることができるか。

------------訳文ここから-------------
サーブ:12

成分:

1(10 3/4オンス)はきのこスープにクリーム状になることができます。
8オンスのフィラデルフィア・クリームチーズ、柔らかくなりました
柔らかくなられた1枚の(。 25オンス)封筒味が付けられていないゼラチン
1/4のカップ水
1つの房エシャロット、切られました
3ポンドは粗末に切られて、小エビを料理しました。 あるいは
1 ポンド・カニ肉
1 カップ・マヨネーズ
1 大さじレモン・ジュース
味へのタバスコ
熱スープ、水を割っていない、またクリームチーズの中で混合します。柔らかくなったゼラチンおよび混合の中でよく動いてください。成分のままである際に折り重なって、軽く油が差された型へ流れ込んでください。会社まで冷えて、あなたの好きなクラッカーで貢献してください。

------------訳文ここまで-------------

ちなみに参照元はここ


2002年02月03日(日) 偉大なるキャン〇ルスープ

先日新年会で呼ばれた先で、持ち寄りの品の一つのディップが「!」と思うほど美味しかった。ベースはクリームチーズで、多分マヨネーズが加わっていて、香味野菜としてセロリ、たまねぎ、パセリ、このとろんとした感じはゼラチンか?それにしてもこの出汁のきいた感じはなんだろう?あっさりしていて濃厚な味。なんともいえずおいしく、後をひく。
持参したと思われる女性に「とてもおいしい」と話し掛け、作り方を聞くと「フィラデル〇ィアのクリームチーズ1箱とキャ〇ベルのマッシュルームスープ1缶をまぜてみじん切りの野菜を入れるんです。あ、あとかに缶」との大雑把な答え。「私も人に教えてもらったレシピなんですけど」という。彼女は海外生活も長いのでこういうアメリカーンなレシピを知っているのだな。うーん、確かに言われたとおりの味である。味の秘密はマッシュルームスープだったのか。それにしてもさっそく家で作ってみたいと思って、レシピを聞き出そうとすると、彼女が少し顔を曇らせながら「でも、一つだけ欠点があるんです」という。
…「それは、一回作るとすごく大量にできちゃうんです。何しろ、スープ1缶とチーズ1箱でそれだけでも多いのに、セロリ1カップとかたまねぎ一個とか、マヨネーズも半カップ入れたりするんで、今日みたいに大人数なときじゃないとなかなか…。まあ半量で作ればいいんでしょうけど、それだと中途半端にスープがあまるし…」
というわけで、大雑把なレシピを聞き出したので、家に帰ってgoogleで検索を掛けてみる。「クリームチーズ」「マッシュルームスープ」などと入れると、出てきた。ほんとにキャン〇ルのマッシュルームスープとフィラデ〇フィアのクリームチーズ、と書いてある。どのページも「アメリカ人から教えてもらった」とか「駐在人夫人のレシピ」などと書いてある。相当なヒットらしい。どんどん辿っていくと、キャンベルのマッシュルームスープの正式名称は「クリームオブマッシュルーム」というらしいことや、かに缶の代わりに海老を使ったりするバージョンがあることがわかった。さらにこの料理を「クラブモールド」と呼んでいるページもある。今度は「crab mold」で検索してみると、果たして英語のページにも何件かヒットした。カーニバルなどの時にハレの料理などでポピュラーらしい。本家本元そのもままのレシピである。
早速会社の帰りに輸入食材店に寄る。キ〇ンベルのスープ売り場にいくと、あるわあるわ、あの赤と白の缶が幾種類も並んでいて、アンディ・ウォーホールの絵、そのままである。えらいぞキャンベ〇。お目当てのマッシュルームスープはちゃんと「cream of mashroom」と書いてあるぞ!いろいろ欲しい物はあるがたくさん買うと重いし財布も心もとないので、クリームオブマッシュルームとクリームオブシュリンプだけ買うことにした。海老のスープをかっておけばかに缶や海老がないとき便利かと…。


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