LOVE ME

2002年10月22日(火)  扉をたたく


ついに病院のお世話になることにした。
不安を抱き始めてはや10年。

待合室には思った以上にたくさんの患者さんがいて
ちょっとびっくりした。
みんな病んでるんだなぁ。

診察は、はっきりいって納得のいくものではなかった。
無神経な言葉と投げやりな診察。

「君の反応をみるためにわざと言った」
彼はそう言ったけれど、信用なんてできなかった。
私の理解などおかまいなしに早口で説明をする医師。
腹立たしくて、そして、悲しくなった。

それでも弱っている私は、誰でもいいから頼りたくて
この人でもいいかな、と思ってしまったりもして。

どうしたらいい? どうしたらいい?



2002年10月20日(日)  闇のなかで


雨が降り始めたことさえ気づかなかった。
悲しかった。
理由なんてわからないけど。

朝がこなければいいと思う。

無理にでも笑えばハッピーがやってくる。
そう信じて毎日を過ごしてはいるけれど。

ふと気づくとためいきをついている自分がいる。
作りつづけた笑顔の陰に
行き場をなくした感情がある。

楽しいってどういうこと?
うれしいってどういうこと?

不安になる。
なにも見えない。
いちばん近くにいるはずなのに。



2002年10月19日(土)  Dear T


Dear T

 お元気ですか。

 もうじきあなたに出会った季節。
 あれから4年。

 頬をかすめる風が冷たくなって
 夜空にオリオン座が見えはじめて。
 毎年、この季節を迎えるのがとてもこわい。

 時間だけが私の存在を追い越していく。
 打ち寄せる波が
 足もとの砂をさらっていくように。

 あなたに逢いたい。

 たとえしあわせになれなくても
 今の私にはあなたがとても必要なのです。



2002年10月14日(月)  乱反射


江ノ電から眺める朝の海。
波を待つサーファーたちの影。
目の前にあるのにとても遠い風景。

はじめてお会いした先輩の奥様。
とてもきれいで優しくて、そしてどこか凛としていて
あんな女性になりたいと思った。

先輩たちを探す。
同時にあの後輩の姿もそっと探す。
誰にも見つからないように。

ハーバーに戻ってから見かけた彼は
子どもたちに囲まれて笑っていた。
キラキラしていてまぶしかった。
手の届かない人のように思えて悲しかった。

きのうのサーファーは死んだらしい。
今朝の新聞に小さな記事が載っていた。



2002年10月13日(日)  休日の昼下がり


風をきって走るモーターボート。
しぶきに反射して輝くあたたかい陽射し。

いちど海から引き上げ、のんびりと休日を楽しむ。
後輩となる1つ年下の彼。
あの人との会話に耳を傾けて、笑う。

ヨットハーバーを歩きながら後輩と話をする。
会話らしい会話をしたのは今回がはじめてかも。
3人で桟橋に向かって、ふたりがそれぞれ船を動かす。
私はそれぞれの船を保管する手続きをとる。

居場所はちがうけど、仲間だって思えた。

お昼すぎ、ハーバーが騒然となった。
サーファーが波にのまれたらしいという噂だった。
レスキューが出て、ヘリも飛んだけれど、騒ぎはすぐにおさまった。

そのサーファーがどうなったのかはわからない。



2002年10月12日(土)  横顔


流れていく黄金色の景色を眺めていた。
クルーザーが上げる水しぶきは
黄金色の光を反射して宝石のようだった。
疲れきったその横顔を見ながら、私もいつのまにか眠ってしまった。

レセプションへの参加。
あの人は面倒くさがったけれど、私はうれしかった。
渋滞する海岸線を走るあいだ、BMWの助手席は私のもの。

月明かりに照らされてきらきら光る海。
気だるいカラダと心地よい音楽。

去年の今ごろは、苦手だったのに。
いつから声を聞くと安心するようになったのだろう。
隣りにいるとほっとする。

でも、きっと恋なんかじゃない。

奥さんのいる人を好きになんてならない。


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