人のぬくもりを感じながら眠ったのはどれくらいぶりだろう。 息をひそめて、自分以外の人間の体温を感じて。
ぼんやりとした眠りのまま朝を迎えたけれど なにごともなかったことに安心してまた眠ってしまう。 隣りにいる男の人に寄り添ったまま。
キスを何度も繰り返して 抱きしめられるぬくもりを感じながら 私は別の人のことを考えていた。 相手に対して失礼なことだとはわかっていたけれど。
この人との「続き」がこれからあるのかどうかわからない。 期待しては裏切られることの繰り返しだったから もう期待することさえ怖くなってしまったのかもしれない。
並んで歩くときの身長差とか ほのかに感じる匂いとか ちょっといいかな、と思ってはいるけれど。
ひさびさに過去の想いを振り返る。 存在さえ忘れかけていたかさぶたをそっとはがす。 鈍い痛みと、紅くにじむ私の生きる証。
時間に追われる毎日。 めくり忘れたままのカレンダー。 いつのまにか季節にさえ追い越されていく。 私は波に乗れずに立ち止まったまま。
私のなかにある誰かの影。 その誰かのなかにも私の影はあるのだろうか。
そろそろサイト復帰しようかな。
自分の気持ちを整理するために。 「わたし」という存在を忘れないために。
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