Diary of thirty one syllables DiaryINDEX|past|will
昨日からいきなり寒くなりまして丸く転がる炬燵猫
言い訳を演奏前から言い綴る鳴らしもしないでその見苦しさ
いろどりの良い実を見つけてうきうきと写真を撮れどそれが寄生果
訥々と三十一文字を綴りゆくそれが日記の代わりだと
空の色さほど変わらぬ青の色それ故にこそ人の記憶に
冬来たる床の下から底冷えてふかふか丸まる冬が来る
ごくごく容易い踏みにじるそこに転がる甲虫の気が付きもせずに足の下
新しい相棒が来る十年の年月伴うともがらの
旅立ちは晴れてぞ進むかき曇る白が灰色そして雨粒
江戸の町東京の町見比べて壊れて建てる繰り返しの街
身のうちに巣喰う蠢く赤黒い血溜まりに似た澱と澱みの
一滴の水を落として広がるは波のせせらぎ人のざわめき
薄曇り砂で霞んで山遠く遥かな大陸今も枯れつつ
繰り返す一つ二つと記事重ね人の波間に浮かぶ瀬もある
足跡を遺して逝きたい人の消して回るは世のならい
回線の重さに泣いて繰り返す再読み込みに何度蹴りいる
記録を取りてはこぼしつつ振りまいている今日この心まで
日々綴る己の親を切り売りてそれを貨幣にできるものなら
ひとしなみ何を望んで字を綴る溢れる言葉か人の言葉か
丸い顔入れ子人形元にしてマトリョーシカが作られるとは
黄砂飛ぶ季節を外れて今ごろのおそらく奥地で森が消えゆく
画面では小さな子らが駆け回るマスクをしないで去年の世界
8年を区切りというが10年をおそらく区切り文に刻んで
楽しみにし過ぎて間違う一週間まるで子供と笑われる
犬の目と人の目の合う目線には群れの意味ある助け合うため
新機軸それが出たのも一昔使いこなせぬ昭和初期
足元の温さ求めて履くものをまくり上げるは心得違い
学び舎の日の本一の本の家知識の住処をそこに求めん
やまいだれ歳をとりては通う人己のこととて日々を忘れる
晴れがまし空の青さを見上げてはただ眩しくて光遮る
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