Diary of thirty one syllables
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2020年11月30日(月)

昨日からいきなり寒くなりまして丸く転がる炬燵猫


2020年11月29日(日)

言い訳を演奏前から言い綴る鳴らしもしないでその見苦しさ


2020年11月28日(土)

いろどりの良い実を見つけてうきうきと写真を撮れどそれが寄生果


2020年11月27日(金)

訥々と三十一文字を綴りゆくそれが日記の代わりだと


2020年11月26日(木)

空の色さほど変わらぬ青の色それ故にこそ人の記憶に


2020年11月25日(水)

冬来たる床の下から底冷えてふかふか丸まる冬が来る


2020年11月24日(火)

ごくごく容易い踏みにじるそこに転がる甲虫の気が付きもせずに足の下


2020年11月23日(月)

新しい相棒が来る十年の年月伴うともがらの


2020年11月22日(日)

旅立ちは晴れてぞ進むかき曇る白が灰色そして雨粒


2020年11月21日(土)

江戸の町東京の町見比べて壊れて建てる繰り返しの街


2020年11月20日(金)

身のうちに巣喰う蠢く赤黒い血溜まりに似た澱と澱みの


2020年11月19日(木)

一滴の水を落として広がるは波のせせらぎ人のざわめき


2020年11月18日(水)

薄曇り砂で霞んで山遠く遥かな大陸今も枯れつつ


2020年11月17日(火)

繰り返す一つ二つと記事重ね人の波間に浮かぶ瀬もある


2020年11月16日(月)

足跡を遺して逝きたい人の消して回るは世のならい


2020年11月15日(日)

回線の重さに泣いて繰り返す再読み込みに何度蹴りいる


2020年11月14日(土)

記録を取りてはこぼしつつ振りまいている今日この心まで


2020年11月13日(金)

日々綴る己の親を切り売りてそれを貨幣にできるものなら


2020年11月12日(木)

ひとしなみ何を望んで字を綴る溢れる言葉か人の言葉か


2020年11月11日(水)

丸い顔入れ子人形元にしてマトリョーシカが作られるとは


2020年11月10日(火)

黄砂飛ぶ季節を外れて今ごろのおそらく奥地で森が消えゆく


2020年11月09日(月)

画面では小さな子らが駆け回るマスクをしないで去年の世界


2020年11月08日(日)

8年を区切りというが10年をおそらく区切り文に刻んで


2020年11月07日(土)

楽しみにし過ぎて間違う一週間まるで子供と笑われる


2020年11月06日(金)

犬の目と人の目の合う目線には群れの意味ある助け合うため


2020年11月05日(木)

新機軸それが出たのも一昔使いこなせぬ昭和初期


2020年11月04日(水)

足元の温さ求めて履くものをまくり上げるは心得違い


2020年11月03日(火)

学び舎の日の本一の本の家知識の住処をそこに求めん


2020年11月02日(月)

やまいだれ歳をとりては通う人己のこととて日々を忘れる


2020年11月01日(日)

晴れがまし空の青さを見上げてはただ眩しくて光遮る


大地を馬に呑んだくれる |MAILHomePage

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