Diary of thirty one syllables DiaryINDEX|past|will
網の目に浮かびあがりて交わるは人の面影はかない火影
冬が来る朝の寒さが身に染みて上身起こしてぶるり震える
秋の日の冷え込む朝に湯にかかる人と会うなら穢れを濯げ
風が吹き目蓋をかすめて目が乾く秋の昼間に陽光も見れず
夜歩く蜘蛛の行方を辿れれば闇の隙間に何を見つける
晴れ渡る秋のまにまに浮かぶ雲途切れ途切れに青を刻んで
冷ややかな風の温度に触れてゆく飛行機雲が高くたなびく
ひだまりの窓辺に転がる人のなり実は猫だと尻尾はないか
冬が来るいつの間にやら足音が秋の紅葉を見には行けるか
ごく弱い太郎の電波が飛んできて這う芋虫を雁字搦めに
飢え餓え胸の動悸が収まらず指につかんでぐるぐると毟る
煌き輝き秋の風さやめくさざめく秋の波
雨が降る冬が来るのはまだ先とたかを括ってこの体たらく
目が眩み目が眩み目が眩み
腹下し腹下し腹下し
青空を面で切り取り閉じ込めるそんな言葉に惑わされると
電脳の上で遊べる物づくり時代の流れにただ息をつく
小夜更けて静かの澱に響く音低く刻める冷蔵庫の
冬籠りするほど寒くは無いけれど一気に来る冬の足音
冬備え床の敷き物故障してスイッチ入らぬ悲しさよ
朝日さす緑の木々が輝いていっそ黄色に葉の染まる
夜に追う光の痕を目を流し煌めくならばそれはまぼろし
若き日の影を見つけて拾いゆくそれを飾りて煌き思う
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