あふりかくじらノート
あふりかくじら



 緒方貞子氏のこと。

『国内基準と国際基準を別のものと考えるのも日本の特徴です。
(中略)国内用と国外用の二種類の制度をつくり、ことさらに
「国際貢献」という発想をするのも、日本人が「内」と「外」は
違うと思い込んでいるからでしょう。内と外とを隔てる制度を
取り除けば、国内の取り組みはそのまま世界で十分通用するのです。
わたしはよく「国内・国外一元化」という言葉を使いますが、
この一元化なしに国際化もないし、国際貢献も難しいと思っています。』

緒方貞子氏の『私の仕事』(草思社)より


こういうことをことさら強く感じさせるのは、たとえば
海外へ行って、人種問題や社会問題を目の当たりにしたとき。
ぬくぬく暮らしていると、この国では本当に忘れてしまいがちだ。
ニッポンジンとガイジンという奇妙で不自然な固定観念に
すっぽりはまってしまう。

遠い国の社会が、政治状況が、テロや戦争が、自分の国にも
関わっているということ。
ごく当たり前のこと。
それを感じる頭と心を、意識して失わずにいたい。
わたしの大切なひとたちにも、それを伝えていけたらいいと思う。


2003年10月29日(水)



 ウェディング。

大人になりたい、といい年になりながら冗談めかしつつも、
やっぱりちょっとそう思っている。

結婚式でスピーチをとつぜんふられても、ちょっと粋なせりふが
すらりと自然に出てくるひと。
どんなにたけているひとでも、年齢を重ねてきた者の
一種の深みのようなものにはかなわない。
これは、いろんな場面で目にしてきた光景。

とにかくウェディングはすてきだ。
ふたりの人生模様がみえてくる。
たいせつなお友だちをご招待することで、そのひとへの思いがみえてくる。
そして、きれいなものやかわいらしいものを、臆することなく
好きだと言えることはほんとうにすばらしいと思う。

人生いろんなことがあって、わたしはこの大好きな元上司の
結婚を心から祝福する。
歳は普通よりいってますけど、まだまだ未熟ですので、だって。
わたしなんか、三重くらい輪をかけて未熟。

いつになったら、オトナになるのだろう。
ともかく素敵な六十歳を目指したい。

かわいいものは、好きだといってるんだけど。

2003年10月27日(月)



 くじらスタンダード、基本はA5サイズから。

身長170センチ。体重、標準。(?)
いつもかばんの中にいれているノート
(あるいは日記帖のようなもの)A5サイズ。
くじらスタンダードだ。

会社員を辞めて第一週目、何からすれば良いのか、
やりたいことが溢れすぎてしまってどうしようもなくなって、
部屋の片付けからはじめてみた。

A5のノートは、日記とは呼べないような雑文集。
思いつくままに、20歳の誕生日から続けている。
もうずいぶんな冊数になったものを、ひっくり返してみた。

サークルを辞めたり、ひとり暮しを始めたり、大学を卒業したり、
会社に勤めたり、エディンバラにいったり。
たくさんの節目、こころのゆらぎ。
ひとり。
日々のストレスとか、街のにおいのこととか、過去のこととか
恋人のことなんかもたくさん書いてある。
どうも感受性が強すぎて、思い込みも激しい。

でも、このノートがないと、落ち着かない。
ときに、わっと言葉の嵐が脳の中に降ってきて、どうしようもなくなる。
そんなときに、ひたすら綴る。
苦しい。でも書けないと死にそうに苦しいのでやっぱり書く。

書くことからしか、はじまらない。
自分で自分と向き合うしか術が無い。

ノートというものが、基本的に好きだ。
真新しいノートを目にすると、思わず買ってしまったり。
ノートをプレゼントされると、大事にしすぎて汚すのがもったいない。

とりあえず、無印良品で思わず手にしてしまったA6サイズで
黒いゴムがついてぱちんと閉じられるこのノート、頭の中を
整理するためのTO DO LISTにしようか。

2003年10月23日(木)



 フリーランスのライフライン。

南アフリカ大使公邸でラグビーのワールドカップを観戦。
スプリングボックスは熱狂的なファンの熱い声援むなしく、
イングランドに負けてしまった。
でもこれは、南アにとっては歴史的な試合だ。

土曜日はふとしたことから、大使館でお世話になっている方に
お誘いをいただいて、大使公邸(大使豪邸!)に初めて
お伺いするにいたった。

南アの人はもちろん、Friends of South Africaと呼べるような
たくさんのひとたちが招かれてCastle Beer片手に
スクリーンに声援を送る。
その盛り上がりようといったら!

わたし自身、南ア大使館のイベントにこうして招かれるのは
非常にありがたい。
多くの人に会って、ひさしぶりに会社の名刺ではなく
自分の名刺を配る。充実感。

会社という名前はなくなって、自分ひとりで何事にも
立ち向っていかなくてはならないけれど、こうしてつくっていく
ネットワークは何よりも貴重なのである。

南ア大使は、とてもやさしそうな小父様だ。
南アフリカという国が、もっと好きになれそうだ。

2003年10月21日(火)



 出会ったり出会わなかったり、さよならしたり。

1年半、会社というところに勤めてみた。
「あちら側」の世界を知らないわけではなかったが、
それはそれで勉強になること、成長したこと、
ストレスになることを含めて密度が濃い時間だった。
とてもたくさんのひとにお世話になったし、迷惑もかけたし、
それからたくさんのお客さんに向かい合うことは
深い意味で貴重な修行となった。ちょっと強くなった。
(基本的に頭を下げるのは疲れる)

1年半は短い。
でも、わたしとしては体内のリズムの中では、
「ここらへんで」っていう感覚がある。
お邪魔しました。ほんと。感謝感謝です。

魂が徐々に身体から離れて行ってしまう感覚に、
苛まれていたのかな。
すっぱり切ったら、孤独で不安で、そしてさっぱりした。
やっぱりわたしの世界じゃないからね。

わたしから見れば、「誰かに出会ったのに出会っていない」
日常というのは特殊な世界のなかにある。

あとは少しずつ、孤独になれて行くこと。(また、こればっかりよ。)
それから、自分と正直に向き合う勇気を持つことだ。
重たい。

去って行くということに、ちょっと慣れすぎたような、
じつはちっとも慣れていないような。
日常の中に取り残される方が、きっと淋しいはずだから
淋しがりやの方は、さっさと去るよ。

今日は曇り空だなぁ。

2003年10月18日(土)
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