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■ 宝物コレクターとしてのくじら。
翻訳という作業において、それが誰かの魂がこめられた 代物であればあるほど、その誰かに乗り移って 筆を滑らせているような、ある種の別世界に意識が 導かれている瞬間がやってくる。
誰かの脳みその中を感じ取り、その指先の打つ タイプライターの調べをなぞり、その世界へと 誘われていく。
わたしはいま、彼女の作品を翻訳するということについて また考えている。 その瞬間を、また自ら望んで体験しようとしている。
宝物コレクターとしてのくじら。 誰かのことを考えるとき、その人の見たものはなんだったのか、 わたしは目を閉じ、その世界へ意識をとばしている。
それはゆっくり時間をかけて、わたしの意識へと融合してゆくのだ。
2002年11月17日(日)
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