ヒトリゴト

2004年11月30日(火) 忘れることなんて


神サマがわたしたちに
与えてくれたたった一つの方法


流れる刻の中で
忘却の波に身を委ね

今までのこと
何もかも



そんなこと望んではいないの

どんなに
つらくても

思い出が
胸を刺しても

あのことも
あのことも
あのことも


あの瞳も


忘れることなんて

忘れることなんて









2004年11月22日(月) 気づいて

追いかけられる

もうすぐつかまる

つかまえられてそれから


逃げ出して

姿を変えて息を潜めて

でもきっとまた見つかる


どこまでもどこまでも追いかけてくる


いっそ

つかまってしまえば



空想で作り上げた私という名のヒューマノイド

分解して
調べればわかるわ

あなたの理想の モノ ではないことが

あなたの作り上げた モノ ではないことが


プログラムは書き換えられたんじゃない
あなたの モノ ではないのよ始めから

それがわかった時


あなたはその手で私を壊す


きっと何の躊躇いも無く



砕けた破片で
壊れかけたあなたの思考に気づいて

そこで気づいて



もう
誰かを追いかけるのはやめて








2004年11月19日(金) 思い出すのは


目に焼きついて離れなかった

その手と
その指と

その背中


全部覚えていたかったのに
ほかの事は何一つ思い出せなくて

頬に添えた手のひらと
最後に離れていった指と

どんどん遠くなる背中


思い出すのは



ずっと
ずっと

そう決めた それすら

だんだん色褪せてく




2004年11月17日(水) 場面

あなたを
知りたかったから 聞いたのに


やめて
もうやめて

あなたのこと
知りたかっただけなのに


やめて



あなたが
どんな人を愛して生きてきただなんて

知りたくない


もうやめて
こんなに苦しくなってしまうなんて


お願い
もうやめて


長い人生のほんの一瞬を
切り取って
脆く重ねてるだけだから


今じゃないことは
わかってても

今じゃないことは
知ると苦しいだけ


ほんの一瞬を
脆く重ねてるだけの私たちだから

ほんの一瞬を
切り取ってるだけの私だから


今この場面で
ほかのシーンは思い出さないで












2004年11月16日(火) 生きにくい人


ごめん


気がついたら謝ってた

たくさんの人を

傷つけながら生きている

傷つくのが怖くて

傷つけながら生きている


そうしなければ
生きられなくて


心の中で何度も

ごめん

ごめんなさい



2004年11月08日(月) バスルームで


不安や
嫉妬
疑うココロ

少しづつ
私の中に巣食う

そんなものたちを集めるために
始まった想いじゃ ない


目を閉じて
優しい瞳を思い出す

その瞳の中の私
あの時の
優しい気持ちを思い出す


黒いココロたちは
真夜中のバスルーム
虹色のシャボンで流してしまおう


毎日ここで涙と一緒に



2004年11月05日(金) 最後のコトバ




なんて言えばいいの

最後に

笑っていようと

思うのに 思うのに


楽しくて

とても

毎日がおもちゃ箱みたいで

あなただけは

先に大人になって卒業できたのに


なんて言えばいいの



さよなら って

言わなくちゃ


わかってる わかってるの


でも言ってしまったら

ホームの電車の扉が
あなたを乗せ閉まったあの日のように

もう二度と



さよなら って

言わなくちゃ


あなたがきっと聞きたいコトバ

わたしが笑って言えないコトバ





さ。


よ。


な。



ら。








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