こんな 途方もなく離れた場所で
祈りは届きますか
私は 思いを形に変えられないけれど
それでも意味はありますか
つらい時 苦しい時 寂しい時
いつも そばにいないのに
それでも意味はありますか
強がる背中を 抱きしめることも叶わない
だけど 思いは海を越えるのでしょうか
いつでも いつまでも
心から愛しく思い続けるだけ
青空に 小さく淡く浮かぶ月
今日も夜を待つだけ
それでも意味はありますか
海を見ていた この海の先の もっとずっと遠くで 頑張ってる人を思い浮かべてた 夜を見ていた この深い闇の先の 遙か彼方で小さな明かりを灯し 眠い目をこする人を思い浮かべてた 雪を見ていた この雪の道の 上って上ってたどり着く丘からも 決して見えない人を思い浮かべてた 私は知りたかった 本当は知りたかった 怖かったけれど本当のことを でもいつも 見ているだけだった 思い浮かべるだけだった 夢を見て 目を覚まして また夢を見る いつも きっとこれからも
そんな風に 優しくしないで もう 扉 閉めちゃったから もう 甘い言葉に揺れたりしないから そんな風に不意に 喜ばせたりしないで 私の中の海に 凪が続くように 少しずつ いろんなものを積み重ねて あなたへの気持ちが 見えないように そんな風に 優しくしないで 簡単に波立ってしまうから 想う気持ちだけまた 涙がこぼれるから もう 悲しいのはいいの 悲しいのはいいの それならもう 知ってるから
一日中 誰にも何も言われなくても
いいの
一番に聞きたかった言葉 神様がくれたから
真夜中に 音無き呼び声
うれしくて うれしくて 泣きそうだったのに
声にできない
きまぐれでも 義理でもなんでも
いいの
私には一番の幸せな瞬間
それを 伝える術は無いけれど
ただ握りしめてるだけでも
こわくて この現実を受け止められない
あなたの声も 何も聞こえない
目は開いているのに 視点が定まらない
カラダごと オブラートに包まれる
ただ思うのは
違う 違う 違う
そんな風に思ってるわけじゃない
止まらない涙も
くやしいから じゃない
悲しいの
目覚めているのに また夢の中
一人でいるのは これ以上
悲しくならないため
ベランダで たくさんのツバメが カラスに狙われ逃げ惑う夢を見た
カラスを追い払おうと右往左往する私
次の場面で
ツバメも カラスも 犬に襲われ
たくさんのツバメの死骸に泣き崩れる私
ちゃんと片付けておけよ というあなた
たった一羽の運良く生き残ったツバメが
私に話しかけた
もう 泣かないで あなたが泣くことを私たちは喜びません あなたの 今 一番伝えたい言葉を最後に私にください
私が 最後のツバメに頼んだあの人への言葉
どうか無事に届けて
どうか届いて
私は元気です と
あなたがいなくても
傷つき疲れたツバメのようでも
最後だけ
この強がりを届けて
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