2001年04月23日(月) |
二人の場所(都々逸) |
いつもと違う道を二人でいつものように手をつなぎ
久しぶりに二人で散歩。 いつもと違う方向へ歩いていく。
いつも入れなかったイタメシ屋。 あるのも知らなかった公園。 二人の場所が増えていく。
右を向いても左を見ても君がいるのははしゃぎすぎ
それぞれが抱えしことは置いといて家族揃って「ピングー」を見る
春先、花粉症が続いたり、風邪をひいたり。 仕事のあれこれやら、いろいろななんやかんやを。 家族揃っての夕食。 ぶつけ合うわけでなく、慰めあうわけでなく。 一緒にいる。 なんやかんやは置いといて。
考えずにやり過ごした方がいいこともある。 画面の中のピングーが、そういっている。
リモコンでスイッチを消しおやすみと元気な声でそれぞれに戻る
磯の香を一身に受け母弾む
ひたち海浜公園の帰り、阿字ヶ浦をドライブ。 久々に近くに見る海に、島育ちの母が歓声。
海岸の砂浜、果てしない水平線、やさしい白波、 それら以上に母が喜んだのは、 磯の岩場だった。
車を止め、ロックしている間に、 母は岩場へとどんどん足を進めていった。 海浜公園で遊びつかれたことなど忘れて、 いきいきと磯遊びに熱中する母の姿。
ビニール袋いっぱいに、螺をつめて。 魚市場まで足を伸ばすことに即決。
磯遊び遠くの汽笛間のびして
草原を横向きに見る青空へ凧の並びて真直ぐ行くや
家族で、国立ひたち海浜公園へ。 天気に恵まれ、風に恵まれ、おだやかな草原。 おにぎりをほおばり、シートにごろりと横になる。
のんびりとした時間。
貸自転車で、海の見える丘へ。 遠くから、かすかに潮の香り。 いつもより、ちょっと長めの深呼吸。
海の青空の青とをかきわけて悠々と飛ぶかもめぞ愉し
我立ちて天の岩戸の君を待ち鏡にポーズとる試着室
買い物に出かける。 久しぶりにデートするみたいだね、と笑いながら、 ショッピングセンターをうろうろ。
新調する僕の眼鏡を選んでもらい、 ゲームコーナーでもぐらたたきに熱中し、 軽食コーナーでアイスクリーム。 途中で見つけた、かわいい部屋着。 試着室の前、行き交う女性客の中、一人待つ。
なんとなく、春を感じながら。
うんうんと君が選びし眼鏡かけ鏡の前でうんうんと我
久しぶりに見る気がすると笑いつつ君が吾を見る瞳愛しく
妻が体調くずしたり、 僕の帰りが遅れたり、 2日ほど満足に顔も合わせられなかった。
3日ぶりに夕食をともにし、 テレビを見ながらアイスクリーム。
何気なくて、うれしいひととき。
二種類のアイスを味見くらべっこするそのことが一番おいしい
何気ない事や言葉を積み重ね汝と我の間に婚姻届
いろいろあった。 いろいろあったけど、 いろいろあったからじゃない。
僕と君がもうすぐ、 入籍という形の区切りをつける。
でもそれで、 何かが変わるわけじゃない。
君はもうとっくに、 僕の苗字を名乗っている。 僕はもうとっくに、 君との新婚生活を軌道に乗せている。
なのに。
まだ空欄だらけのこの紙。 見ると顔がほころぶんだよね。
何気ないことの繰り返し。 これからもずっとずっと、 何気ないことを、 何気なく。
何気なく幸せでいたいとりあえずゲーセンでとりしぬいぐるみ一つ
夜桜の透けて覗くや月愉し
思いつきで、夜桜見物に家族で出かける。 研究学園都市、研究所の群れの中、 桜の隠れた名所には、ちらちらと人の影。
街頭に照らされた桜もよし、 月明かりの下の桜もまたよし。
夜桜と枝垂れを競う柳かな
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