オミズの花道
old day    days list    new day

『狂暴なおせち・接客の話題に使えるお雑煮の妙』
2002年12月30日(月)


重箱マニアの私は当然おせちを作る。
だがしかし。
毎年毎年田作りだの栗きんとんだのは、つまらないので変わりおせちになる。

だってせっかく一年に一度の料理なのに。
毎年毎年同じでは面白く無いではないか。


その傾向は年々派手になって行くのだが、去年は特に好評であった。

鯛の塩焼きの尻尾を塩茹での蟹がハサミで掴んで持ち上げているという、
立体的な構造にしたのであった。

その周りには定番の物から只の酒のつまみまでてんこ盛り。
蟹のお尻から鯛の頭までの高さは約40センチ。
これはもう、もはやオブジェであろう。

伝統などクソ喰らえ。
情緒など何処吹く風。


しかし、一年の始まりがこんなに狂暴なおせちでいいのだろうか。不吉ではないか。
まあいい。面白い一年なら少々狂暴でも良しとする。
・・・・と思った今年の元日であったが、やはり今年はそこそこ激動であった。
うう〜ん、恐るべし。おせち。やはり一年の計は元旦にあり。


かといってこの面白さは止められず、今年もオブジェな計画を練っている私だ。

今年はチキンの丸焼きが小鯛を何匹も踏み敷いているなんてのはどうだろう?

・・・・ただ単に鯛苛めのような気がして来た。
ここまで来ると箱庭療法に通じるものがあるな。
何か病理があるんだろうか私。おせちによって癒されるのか?
おおお、メンタルおせち。いいかも(嘘)。



ところでもう一つお正月の定番と言えば『お雑煮』である。

うちは母が九州なので焼いたブリを入れたすましの雑煮なのだが、
その昔関東のお客様にひどく驚かれてから、これを接客時の期間限定話題にしている。


お客様の出身地によって微妙に違うお雑煮の具。
小さい頃の思い出や、御尊父御母堂のお雑煮のやり取り、(←結構モメるらしい。)
奥様がいかに自分の味に合わせる努力をしたか、など話題は尽きない。

口下手なお客様もこの話題なら、と喋りかけてくれるし、
聞いているこちらも楽しくなる事が多い。
お雑煮に限らず食べ物の話はどれもそうなのだが、接客には非常に便利だ。


水商売には幾つかの鉄則があるが、『話題に困ったら食べ物の話をしろ』というのは、
その中でも定番中の定番である。

人の噂話のように罪は無く、
エロ話口説き話より美しい。



そうそう。
うちの親父の方のお雑煮は、母と同じくすまし仕立てである。

それに焼いたブリが入っていようが、イクラが乗っかっていようが、
小芋が海老芋だろうが、無神経な彼は一向に気にしない。


だが毎年うちの親は、元旦の朝に同じ喧嘩をしているらしい。

元旦の朝、雑煮を見た親父の第一声は、
『何やこれ!餡子餅と違うやないか!』である。

それに対して母はこういう。
『元旦から雑煮に餡子餅入れるなんて気持ちの悪い事出来るかいな!明日や明日!』


何十年も同じ喧嘩を続けている彼等はある意味敬意に値する。

美しくは無いが。

『大掃除とお買い物と美味しいものと』
2002年12月29日(日)


今日はリビングとベランダと和室と洋室の大掃除をした。
明日は玄関とお風呂とトイレと台所ともう一つの洋室の予定。
明日の方が配分多いな。う〜ん。終わるかしら?


買い物に出かけると、出回る色取り取りのお正月グッズに食指が疼く。
最近の重箱は可愛いものが多いなあ。
漆器マニアな私の買い物心をくすぐりおって。うにゅにゅ。

私はどちらかと言うと重箱を一年中使うほうだ。
重箱ってお客様がある時などは本当に便利。
テーブルでは丸皿よりもスペースを取らず機能的だし、
何より普通の皿より料理がちょっと豪華に見える。

今日は小さめの雪景色の重箱があった。
とても可愛かったのだが冬の柄はもうあるので断念。
ううーん、夏の柄は無いのか。あってもプラスティックなのだろうか。
ええい、あと一個なのにな。揃えたいぞ。


寝具売り場にてリネン類を総変え。
今までは寒色が多かったのだが、来年からは暖色にしてみようかな。
・・・・なんて言いながらも結局は洗い替えに暖色寒色両方揃える。


カーテンは気に入った物が無かったので断念した。
また探そうっと。


食品売り場に行くと活きのいい鯖があった。
正月の食材を買いに来たのに何をしてるんだか。

でも本当にいい鯖なのである。
これは是非しめ鯖にするべき。


お家に帰って三枚におろし、皮をひんむき、骨を抜いて塩を振る。
合わせ酢に昆布を切りいれ、塩でしめた鯖を入れて冷蔵庫へ。

わくわくわく。
しめ過ぎると美味しくなくなるので目覚ましセット。


・・・・で、さっき味見したのですが。もう会心の出来栄え。
中が良い具合に生っぽいのがナイスでした。

そりゃ食べさせたい人は居ますよ。
今回は海原雄山でしょう。(オジサマ好きだから山岡君ではない)


ああ、美味しいものって疲れが取れる。
明日も頑張ってお掃除しよっと♪



あ、本鼈甲の簪を買ったんでした。
メモメモ。

『自覚の無い疲れ』
2002年12月28日(土)


土曜日。
店は営業しているのだが、私は休み。
だがお給料を取りにお店へ行く。

時間帯をずらして店には10時くらいに着く様にした。
こうすれば営業に差し支えなかろう。


久々に10時前の戎橋商店街を歩く。
店は殆ど閉まっていて、何だかもの悲しい。

皆家路につく時間帯だ。
せわしそうだが、しかし楽しそうに歩いて行く。


普段ならこの時間、私はあの箱の中に居る。
それが何だかとても虚しく感じた。

何故だろう。
酔っ払って空が白々と明ける頃、帰路についても・・・・こんな虚しさは訪れないというのに。


自覚は無かったが、どうやら私は少し疲れているようだ。



店にはすっぴんで行ったので常務と店長にビックリされる。
どうせ別人だよ、放っとけ。


何だかストレートに帰りたくない。
何処かに寄るとしよう。

ニューハーフのミカの店に行き、少し飲む。
ふと思い立ち、給料袋を開けてみる事にした。

今度はこっちが明細を見てビックリ。


日給が上がっている・・・・。


困った話である。
転職したいのに。


私は頭を抱え込んでしまった。



自覚の無かった疲れが、どっと天から降って来た。

勘弁してくれ、ホントに。

『ミニスカサンタになりたかったのにぃぃぃぃ』
2002年12月25日(水)


昨日はサンタのが来た。
でも・・・・1人くらいならいいけど、サンタの団体ってのはちょっと怖いんですが。

何者なのだ。きゃつらは。



私もお店の女の子マリちゃんと同じく、ミニスカサンタがしたかったのだが、
黒服さんと店長に駄目出しを食らった。

『風俗っぽくなるから?年齢がアウトだから?』と聞く私に、
『ううん。水上さんだとオカマの店になってしまうから。』と答える店長。

いいのだ。老い先が短いのだからな。
年末くらい好きなことを言わせてやろう。



そんな変な出来事は多かったのだが、何故か店は暇であった。
イマイチ盛り上がりに欠けるので、諭吉を取り出し黒服に渡す。


お客様と皆でケーキを突付く。
意外と美味いではないか。


だが黒服よ。
諭吉をフルに使うのはやめてくれ。


夏目も居ないつり銭なぞ、
年末には淋し過ぎるのよ。

『お年頃の文章とは・・・・』
2002年12月23日(月)


金曜日はテッチリ三昧でした。
祇園寿司って美味しいのね。

ちょっと風邪が酷かったのですが鍋で持ち直し。
今日の段階で持ち直したのは鍋のお陰であろう。
マヤさんに感謝である。同伴も付いた。良かった。


土曜日は重役様とご飯同伴。
怒涛のイベント週間だっだが何とか乗り切る。


ミナミは土曜日が忙しい(新地が休みの店舗が多いから)筈なのだが、
最近はそうでもなく閉口する。

不景気って嫌ねぇ。




さて私はちょっと前からエンピツでも同じ日記を書いているのだが、
何にせよ暇の少ない身なので、アップしたら放ったらかしなのである。
(放ったらかしなのはライコスも一緒で、水商売適性検査リンクエラーも
 半日ほど放置であった。(その節はご迷惑をおかけいたしましたです。
 ごめんなさい。))

大体ネット自体も調べ物中心でつまらない使い方をしている。
遊んでもご飯ものと猫に偏っている始末で。

しかも外ユーザーだからバッテリーも持たないし、
回線がブチブチ切れるんで・・・・愚痴だわぃね。
まあ、それはいいんだが。


そんな状況だから最近やっと気が付いたのだけれど、
(お試し期間終わってしまって焦っていじくっていた時)
エンピツには 「 who's my 」 という機能があって、
誰が自分の日記をお気に入りにしてくれているかが解るという、
良いのか悪いのか訳の解らないシステムがある。

良いのか悪いのかとは口が悪いだろうか。
何だかあけすけで貸し借りが生まれるように思うのは私だけだろうか。


話を戻して。
それで私の日記も何名様かが入れて下さっておられるのに気が付いたんですね。

見に行ってみるとどなたも私の好きそうな文体で文章でした。
(顔文字使ってる人が皆無なのには笑いました。)
特にその中の何名様かに御同業がおられましたので、
嬉しくなってその中のまゆかちゃんにメールを出したんです。

時間も余り無かったので、なんて事ない短い感想の文面だったんですが。
だけどこの方から返信を戴いた時に、私はちょっとビックリしてしまいました。

何故か水上がメールを送った事を非常に喜ばれてしまいまして、
しかも「私のようなタイプは嫌いだと思ってました。」とか言われてしまったんですね。

な、なんじゃそら。
私は焦って、その方のくれたメールをもう一度良く見直してみました。

すると私が日記で「愚痴ってる人はあまり好きではない」と書いたのを、
「うわぁ。私のことだ」と思いました。・・・・とあるんです。

・・・・・。
・・・・・。


・・・・そうなん?
え、でもそれって。

ひ〜〜〜〜である。
地雷を踏んだのか?
またかよ、水上。


で、再び。まゆか嬢に尋ねてみると、
『水上さんの日記を読んで、
 自分が恥ずかしくなって(書いてる日記だったり仕事の仕方だったり)
 私と同じように
 「水上さんは私みたいな奴は嫌いに違いない」
 と思った同業者の人はあんがい多いと思います。(予想)』

とのお返事。


・・・・・。
・・・・・。


好きだ、こういう奴。
ストレートで実にいい。
この子と組んだら話は早いだろうな。儲かるぜ。

・・・・それはいいんだが。


私は少し考え込んでしまった。
う〜ん、そうだよなあ、ネットってのはそういうものだよなあ。
検索がある以上、同じ業種の人間は探しやすいだろうし、
ましてや日記リンク内自体で検索機能があるんだからな。

自分では猫だの飯だのばかりを巡っていたからといって、皆がそうではない。
私のあの文面を見て、まゆか嬢のように思った方も少なくないだろう。


のだけれど、やっぱり・・・・そう思われても仕方がないよな、と考えを軌道に戻した。
実際私はまだ『愚痴ってる人は好きではない』その考え方を持っているし、
同業者からどう思われようがスタイルを変えようとは思わない。

頑固者で申し訳無いですけれど、高いお金を戴いてるんですから、お客様を陰で悪く言わないのはビジネスの延長だと思うんです。
それは私自身の信用性の問題で姿勢なんですね。

大体私の性格としてここで書かせて戴く以前に、言いたい事があるなら、高い金を踏んだくっていようが何だろうが御客様御本人に直接言います。
つまり、私だって切れる時はありますが、本人を切っちゃう訳です。(アカンやん。)
それがお客様に対しての私の真心の表し方で、筋です。

つまりここで書かせて戴く事は、ある程度解決を見た問題や、自分の中で答えが見えたものが殆どなんですね。


ですが勿論、私が『好きではない』といったからとて、己が道が王道と言う訳でもありません。
人それぞれの主義や主張があって当たり前だし、正しさなんて存在しません。
正しいものが在るとすればそれは書く本人ではなく、読む方が決める事です。


実際私もまゆか嬢の日記は好きです。
正しい云々の前に、正直で純粋で透明感のある文体に引き込まれます。

このように書く人の(この場合は同業者か)お言葉が乱れていても、愚痴が満開でも、その愚痴が
「一生懸命でありたい」姿勢の裏返しから出るものだと伝われば、「一生懸命してあげたい」その汗の煌きが輝くのならば、私のような頑固者でも全然すんなりと受け入れられるのだと思います。


そしてこれは補足になるのですが、私の年齢とまゆか嬢の年齢差もあるのです。
書ける文章にも、書いて良い文章にも(読み手から見て)年齢は存在します。

30歳過ぎた私が自分の身辺で起こったトラブルを解決もせず、
ウェブ上という匿名の世界をカサに、御客様を小馬鹿にした文章で、
顛末も無くタラタラと綴っていたのでは、余りにも醜いではないですか(笑)。

あの年頃のお嬢様であの仕上がりならば、素晴らしいと思います。
私などはあの時代、本当にとんでもない御馬鹿ホステスでございましたよ。
ほほほ。


今、私の商売の姿勢やお客様のお話を読んでくれて、尚且つ考え、自分で頑張る彼女達の仕上がりは、私の年齢に達した時、
きっと今の私など足元にも及ばない大きなものになっている事でしょう。

実に楽しみです。


何だか本当に婆臭い心境になって来たわ。
これで地雷を踏まなくなったら水上も老獪の域に入るのでしょうな。

実に楽しみです。

2002/12/23

『華を望む男』
2002年12月19日(木)


今日は休みである。
ゆえに日記ものんびり書ける。嬉しい。


さて火曜日の話。
地元ぱぱ(元有名人)御来店。真打登場って感じだ。
そう、火曜日はバクダン守様とダブルヘッダーなのであった。

・・・・きつかった(泣)。



お約束通りに極妻の着物を着る。
一部だけ残しておいた仕付け糸も取って貰う。


ぱぱってばもう・・・・でれでれのとろとろ。


自分の愛おしい女が自分の買ってあげた着物で、
いっぱしの店で(そうかねぇ。)頑張っている、
そんなシュチュエーションが彼にはもうたまんないらしい。


『なお〜!!なんちゅう綺麗さや!!愛してるで!!』
第一声がそれである。

ぱぱ、お髭が痛いよぅ。



それにしてもこのオッサン(これこれ)、相変わらずオーラが違う。

新規の客で彼の事を何も知らないのに黒服は瞬時に緊張し、
仕事が出来る女性陣はこっちのテーブルに目線を集中させる。
他の客はオッサンを見て何者か訝しげな顔をする。

顔を知ってる人もきっと何人か居るだろう。
昔は毎日この辺りをウロウロしていたからな。


二人連れで来てくれたから何人か女性をつける。
本当に付いて欲しかったマヤさんは自客がおられたので断念。

と、ここでぱぱがマヤさんを遠くで見て一言。
『あの女が一番のやり手やろ。売り上げは知らんけど。』

んもう。相変わらず鬼神のような観察眼。その通りでございやす。
何で解るんだろう。何も言ってないのに。



取り敢えず私にはVIP客なのでボトルはオゴリ。
2〜3本は覚悟の上だ。

あと、ゴルフをする時の帽子と、バジャックの携帯ストラップをプレゼント。
高い着物を買って戴いたんだからこれくらいは当たり前。
お返しの何分の一にもならんけれど。


こういうプレゼントは、周りに渡してる事が解るように渡す。

周りを見て判断しないといけない手段だが、クリスマスの時期なのと、
他の自客が居ないので今日はこの手が使える。


あくまでもさりげなく。
オスの習性を擽る。


それは渡されてる人間にも、周りのお客様にも擽りになる。

ピリピリとしたオスの世界の鬩ぎ合いを、
直感で知っている私が本領を発揮する瞬間である。

私の商売に計算が存在するならばこの瞬間にしか無い。



だけどぱぱ、本当にご機嫌。
さほど飲んでもいないのに(っていうか体が心配だから飲まさない)、
喋るし歌うし笑うし。

おまけに何度も何度も『綺麗や!最高や!』と叫んでいる。
もういいから。解ったから。恥ずかしいから。

とここで、携帯を取り出し電話。
どうやらご近所さんのお友達を呼ぶようだ。


これはぱぱが本当に機嫌のいい証拠。&私に花を持たせるスタイル。
人数が増えれば店側の私に対する評価が上がる。

これはさっき皆の前で自分に花を持たせてくれたから、
そのお返しを私にしてくれている行為なのである。


『んもう〜いいのに。高くなっちゃうよ。』
『今日のなおは見せびらかしときたいんや。綺麗や!最高や!』
・・・・ぱぱ、本当にやめて。叫ばないで。うるさい。しつこい。くどい。

それで携帯を代わり、近くまでそのお客様を出迎えに行く。
二名様追加でホクホク。
呼ばれた方は気の毒。

『コイツと初めて会ったんがチャイナドレス着てた時やったんや。
 そりゃもう綺麗やってなあ〜でも今の方がもっと綺麗やねん!』

そんな訳の解らない自慢を聞かされちゃうんだから。
そりゃ綺麗に見える(だけ)だろうよ。ぱぱの買ってくれた着物なんだし。
あ、なんだ?着物の自慢したかっただけかよ?(濃厚)むかむか〜。


ゼニの匂いに目ざとい女性達は上客の匂いを嗅ぎ付け、
ビールだの何だのを頼む。まあそこそこはいいんだけれど、
余り脱線しそうになったらストップをかけるのはメインの私の仕事。

それはゼニの分野だけでなく、会話や立ち居振る舞いでもそう。
やんわりと促し、不自然でなく甘えを捨てて戴く事にしている。



こうやって自分のお客様を守れないうちは、自分の、と呼んではならない。
守る為にはオーナーであろうが黒服であろうが女性達であろうが、
ちゃんと交渉して筋を通すのが当たり前である。

時には気まずくなったりもする。それが嫌で逃げたくなる時もある。

皆そんなに強くは無く、揉め事が嫌いなのは誰も一緒だ。
それは私だって一緒。いや、どんなに強い人間でも一緒だろうと思う。
だけど酒絡みであろうが仕事なのだから、当たり前なことだと思う。


何度も言うようにお客様の方が何倍も私より賢いのだ。
(でなければ独立して身を興すなど出来るわけは無い。
 雇用されていたとしても飲める甲斐性があるのだからね。
 働くホステスよかは賢いんじゃないかと。)

その諍いが嫌で、私が逃げたり、狡さで見ない振りをすれば、
上客であればあるほど敏感に悟り、自分の手元から離れていく。

そして残るのは色絡みの客だけ。
私はそんな「どんな女でも出来る商売」はしたくない。


確かに自分は雇われている身分だが、
お客様に給料を出して戴いているのであって、
店やママや黒服や女性達に給料を貰っている訳ではない。


このぱぱとはそういう思いを沢山した。
それをぱぱも解っているからこそ、
私を自分のあらん限りの力で守ってくれる・・・・。


最初は『ラブラブ光線色絡みストレート豪速球魔人』だった彼も、
(いや本当に大変だったんだから。)私の筋を読み取り、見守り、認めた。
ただの飲み屋のねえちゃん、を、かけがえのない存在、と見てくれるようになった。


『色はどこでも買える。せやけどお前の代わりはどこにもおらん。
 同じ金ならお前の店で落とすほうが気分がええ。何十万払っても惜しゅうない。』

そういって今回も高いゼニを出すぱぱ。



ぱぱ、本当にありがとうね。



お金よりもその言葉が、何よりもの報酬。
今日のテーブルで咲いた、私の華・・・・。


本当の上客様とは何もゼニを落とすだけではなく、こういった阿吽の呼吸を心得たお客様が本当の意味で上客なのだ。
むしろゼニは余り関係無いと言えるだろう。

だってこんな関係は、築こうと思ってもそうそう築けるものではないからだ。
ゼニで買える筈も無く。誰とでも可能な訳も無く。


『ぱぱ、今日は・・・・じゃなくていつも本当にありがとう。』
帰りのタクシーの中で私は甘えながら言う。

『解っとるで。可愛いのう〜、お前は。』
・・・・ぱぱ、お髭が(さっきよりも)痛いよぅ。



・・・・ぱぱ、
ぱぱは私の自慢のお客様だよ。
知ってるだろうけれど。

でもね、何回言っても足りないの。
ありがとう、と、大好き、と。




今度は私の番だからね。


本当は良く解ってるの。
私はきっと、まだまだ穴だらけでいたらない人間です。
なのに、ぱぱは私に華を持たせてくれる。

それはきっと、私にまだまだ伸びて欲しいからなんだよね。
だからまだまだ頑張るよ。行き着く所まで行き着いてみせます。

だから見ててね。



いつかきっと、
ぱぱが本当に自慢出来る最高の華になるから。






『師走のバクダン』
2002年12月18日(水)


バクダン守さんご来店。
何故私が居ると始まるのか。

よって日記は書けませぬ。
すいません。

『羨望と嫉妬・蓮を描く先人へ』
2002年12月16日(月)


知り合いのライターが近しい人物を描いている。
もうそれは随分前からになるのだけれど・・・・。


ライターは彼を文中において、 
『 蓮は泥水の中に美しい花を咲かせる 』
そう表現した。

この時涙が出るほど嬉しかったのを覚えている。


あの時私は何に対して嬉しかったのだろう。
書いた人間にか?
書かれた人間にか?
今でもそれは良く解らないままだ。




彼がその人生を商業誌に描かれる、と聞いたとき、
あんなデカイ素材を書ける奴なんているだろうか、そんな風に思った。

それほどに大きい要素を持つこの人物は、
物書きの立場から言うと諸刃の剣になりかねない。


私自身いつか描いてみたい素材ではあるのだが、
彼の人生の深さに触れるたび自信が無くなって気後れしてしまう。



だが、連載ももうすぐ二年目を迎える。

当初は1年程で終了の予定だったのだが、
やはり素材の大きさか(笑)終了は延ばし延ばしになってしまったらしい。


『もうね、削る言葉が見つからないんですよ。
 余りにも人生が濃くて、人間が深すぎて。
 編集に泣き付いて無理やり書かせて貰ってるんです。』
人懐こい笑顔でライターの彼は私に言う。


・・・・いや、違うな。やはり素材の良さと腕だろう。

商業ベースに載るものは、そんなに甘い物では通らないと云う事を、
同じフィールドに置かれている立場で、私が、私こそが、身に染みている。
泣き付いて書かせて貰えるなど、この世界には存在しない。




とても羨ましく思う。
同じ素材を目にしながら、書ける彼と、書ききれない私。

いつか私も書けるだろうか・・・・。



そう思いながら、心からおめでとうを呟いて今月号を閉じる。




面と向かって言うのはまだ先のこと。


本当のおめでとうは、
彼が蓮の男を描ききったその時なのだから。

『いつの原稿料だ!?・忙しい一日』
2002年12月15日(日)


通帳見てビックリ。
何だか半端な原稿料が振り込まれている。

○○出版。
・・・・う〜ん。仕事したっけ?いつだっけ?


このせちがない世の中で、私如きにお小遣いをくれる奇特な出版社は無い。
賄賂を貰うほどの危ない裏話を握っている訳でもない。
(賄賂にしてはショボイ金額である。)

ではこのお金は間違いなく自分の仕事の報酬なのだが。
困った事に私は、本気でどういった仕事だったか忘れてしまっている。


どうも最近こういう事が多くて困る。
酒で脳細胞がイカれたか。
自分でも呆れてしまうね。
気になる。


私は編集プロダクション絡みが多いので、こういう事はままある。
複数のプロダクションの仕事をこなしたのに、版元は同じだったりして。
そんな流れで編集プロダクションも複数になると、何が何だか解らなくなって来たりする。


いや、言い訳ですね。
ボ〜っとしてる私が悪いんです。


税金やなんやは、申告前にまとめて書いてくれるからいいんだけど、
お金を間違えたから返してって言われたら嫌だなあ。
前にあったんだよね〜そういうの。



お店も忙しかった。
嬉しいけど、風邪と締め切りとノルマに追われる身としては疲れた。


次の締め切りが迫ってるし、風邪だ。
ああもう眠りたいよぅ。


『心が風邪をひく日』
2002年12月14日(土)


んで、同伴したのだけれど。
何だか重役様、元気がない。

私は敢えて原因を聞かなかったのだが、
店が混んできて女性達が離れ、2人になった時、
彼はその原因をぽつりぽつり話してくれた。


どうやら社内で大きな不正があったらしい。


しかも主犯は部門は違えど凄く可愛がっていた部下で。

私も何度か御会いした事のある人だった・・・・。


彼の会社は世界一のシェアを誇る企業で、
大きいだけにこの手の問題は起こりうるのだけれど、
こうも身近に浮上するとリアルすぎて客観的になれない。


彼がその後輩を可愛がっていたのを見ているし、期待していたのも知っている。
若くして身体を壊した後輩に、出来る限りのフォローをしていたのも。


『嘘でしょう・・・・。あの人が・・・・そんな。』
間抜けな言葉しか突いて出ない私。


『会社云々ではなく、裏切られたという気持ちが大きい。』
彼はそう嘆き、少し涙ぐむ。


こんな時、愚かな私は本当に何も言えない。
自分がこれほど無能者なのか、と思い知る。


少し距離を詰め、背中にそっと手を回し、
包みきれない大きな背中を包み込む。


彼が小さく思える。
泣いている子供のように見える。

どんなに撫でても、背中から涙が溢れてくる・・・・。


見送る背中もとても小さく思えて。

彼の背中が角を曲がった時、
私の目からどっと涙が溢れてきた。


寒くて。
寒くて。



ずっと風邪気味だったのだけれど、
心まで風邪をひいてしまったようだ。


『いいお仕事の一日』
2002年12月13日(金)


忙しかった。
店的には暇だったのだが。


最近はマヤさんとタッグを組むことが多いので、
私とマヤさんのお客様が重なると2人ともウロウロしてしまう。

昨日はマヤさんのお客様がダブル入店。
バクダン守さんと、新さんだ。
嬉しいが、マヤさんはウロウロ。


そっと私に耳打ちする。
『ゴメン、こっちを任せていい?』
そしてマヤさんは2つの間をウロウロ。
頑張って下さい〜♥


守さんが大好きな私は、本当は守さんの傍に居たかったのだが、
新さんは、なおラブ♥ な人なので、新さんの傍へ。
え〜ん(泣)。


でも新さんも良い人♪
マヤさんのお客様は不思議と肌の合う人が多くて助かる。

マヤさんもそう思っているみたいで、他の人にはヘルプに入って欲しくないのだと言う。
『人の客だと手を抜く人も多いの。あれって腹が立つのよね。
 なおちゃんは一生懸命やってくれるから、本当に助かるの。』と。


口座同士はどうもこういうのが抜けないんだな。

私は主義として、また話を聞いたりしたりするのが好きなので、
ヘルプに回っても手は抜かない。
実はじっとしてる方がかえって苦痛、と言うのが本音なのだけれども(笑)。

だってせっかく知り合えたのに。
仲良くなれないなんて勿体無いじゃないか。


でも悲しいかなマヤさんの言う通り、口座のかかってないお客様だと手を抜く人も多い。
これってノルマに振り回されているパターンの良い例だ。


いいのか、そんなんで。
高いゼニ戴いてるのに。
まあいいか。他人は他人だし。



私のお客様は時間をずらしてご来店。
た、助かった。

当然マヤさんについてもらう。
やはり肌が合うようで、会話も弾んでいる。

遠慮なくニューボトル。
いつもありがとうございます。



昨日はいいお仕事したよ。ホントに。


『ストーンズが来るぅぅぅぅ!・休みの日のお酒』
2002年12月10日(火)


行くぞ!!絶対!!

最大のコネを駆使するぞ!!

ミック愛してるぅぅぅぅ♥



さて昨日。

休みだった私は爆睡モードであった。
年末進行に1本何とか乗せて、次はお返事待ちの最中なのでひたすら惰眠を貪る。
ああ嬉しい。


ところが夜の8時くらいに、友人の喫茶店ママから電話。
『なお、飲みに行こうよ〜。』と無邪気な彼女。

いや、いいんだけど。



私は普段、家での酒は飲まない。
置いていない訳ではなく、ワインなどは結構種類も置いてはいるのだが、
身体の事を考え飲まないのだ。


休みの日には必ず酒は抜く。
元々酒には弱くは無い身体なのだが、味覚として余り好きではないと言うのがある。
休みの日には普通の飲み物がいいよ〜〜なんてね。


・・・・酒って美味い?


オミズのオネエチャンとしては失格なコメントだろうか。

でもねえ・・・・苦くないっすか?
ジュースとかの方が美味しくないですか?


かといって味覚音痴では無いのだ。
慣れのせいもあるだろうが、殆どの酒は識別出来る。

ワインは多過ぎて難しいのだが、ビールやウイスキーやブランデーなら大丈夫。



ああ、これはスコッチだな。
少々甘いし色も深いからオールドパーか。
でも味が丸いから、オールドパーの12年ではなくてスーペリアかな、とか。
その程度なんですけどね。


体質としてサントリーの酒は身体に合わないような気がする。
響なんぞどこが美味いのか未だに解らない。
同じ17年の酒ならばもっと良い物が沢山あるぞ。

でもさすがに黒響は美味い。
何だかやっとスコッチっぽくなってるって感じがする。
でも定価で2万円も出す気にはならんね。
うちではどうなることやら。

響ゴールドラベル30年ものってのもそりゃ確かに美味いけれど、
8万円も出す気にはならん。そんな値打ちはない。
(クラブで飲んだらそれこそいくらになるんだろう。ああ恐ろしい。)



そんなこんなで元来の酒飲みでは無いから、
「休みの日の酒」というのはイマイチ乗り気にはならない。


でもまあ久しぶりだし。
そこのダンナ様もご一緒なさると言うので、私はもそもそと動き出した。



お出迎えの車に乗り込み、地元の居酒屋へ繰り出す。
その店にはかつて喧嘩したヤクザ屋さん(11月26日記述)も居た。

おうおう久しぶり。
お元気っすか。
相変わらずガラ悪いっすね。

そんな会話を一通りこなした後、自分の席での乾杯が始まる。



ここでキープしてある焼酎を見て『しまった!』と私は思った。
・・・・この夫婦、恐ろしく飲むんだよな。
しかも同席の人間が飲まないと面白くないタイプで。
つまりお仕事並みの酒量が待っているのである。


うう〜ん。
うう〜ん。
まあいいか。


嫁さんの愚痴をそこのダンナ様と2人でうんうん聞く。
彼女は久しぶりにハジける事が出来て良かったようだ。

ダンナ様には「俺の気持ちが解るのはお前だけや!」と叫ばれてしまった。
彼も彼なりにハジけることが出来たようで良かったと思う。



何やかんやで結局、最終的に焼酎は3本も開いてしまったのである。
恐ろしい。



でもまあ二日酔いになってないからいいんじゃないかと思う。




酒飲みっていい加減だなあ。


『ベティのマヨネーズのママに・・・・』
2002年12月08日(日)


お店が引けてからミキちゃんと飲みに行った。

中々有意義な内容の酒であった。
色々あるのだけれど、それはまた明日書くことにして。



帰り道・・・・そう4時半くらいかな。

ミキちゃんと帰り道を歩いていると、
お供を引き連れたベティママが前方から歩いてくる。


やな予感。


ベティママは私を見るなり、
『お疲れさん。』
・・・・と、ご挨拶してくれた。


『あっお疲れ様でした。』
と、とっさに返す私。



ミキちゃんは角を曲がるなり、きゃはきゃは笑い出した。
我慢していたらしく、言葉が繋がらないほど息も絶え絶え。

『今の・・・・まさか・・・なおちゃん、間違えられたの?』

『いや、目が合ったからじゃないかなあ・・・・ただ単に。』
気まずそうに答える私。



『でも、下っ端に挨拶するみたいにそっけなかったじゃん。
 あれ、絶対間違えてるのよ〜〜!!
 なおちゃんがオカマに間違えられるのは噂で聞いてたけど、
 目の前で見たのは初めて!!
 凄い〜〜〜本当なんだ!!
 ネタだと思ってたのに!!』



・・・・・・。
・・・・・・。


そこまで言わなくても。

彼女はきゃはきゃはが止まらないほどウケている。



私は結構ノンフィクションがエキサイティングな毎日を送ってはいるが、
こうもお笑い絡みなのは如何なものか。

もういっそのことニューハーフの店で働いた方がいいのだろうか。



それにしてもベティママ、相変わらず小柄でお美しい。
ご挨拶、ありがとうございました。勿体無いです。

いつも本当にお疲れ様です。
お体、御自愛下さいませね。



・・・・お気が向かれたら雇って下さい。
自虐。


『非・日常の快楽』
2002年12月07日(土)


金曜日は忙しかった。
何だかやっと12月という感じがしてきたなあ。


頼んでいた着物が仕立てあがって来たので着付け。
いやこれが中々にインパクトがあって好評であった。

お姉ちゃん方も黒服さんもママも沢山沢山誉めてくれた。嬉しい。
お客様にも好評で、沢山お声がかかっちゃったりしたのだね。感謝。



今年の頭まで着物は素人に近かったのだが、
最近は呉服屋に感心されるほどに上達した。

もともと私は広告デザイナーだったので、
普通の人よりは色に鍛えられているせいもあるのかも知れない。



この頃は自分で反物を探し出して来て、別の所で仕立てて貰う。

仕立ての価格に差が大きくあったり、腕の違いがある・・・というのもその原因だが、
大概の理由は気に入った物が別の所にあったりする、なんて理由が殆どだ。

殊に今回は『この帯が欲しい』と思って買った黒地の帯に合わせて、
別の店舗で見かけた反物を購入した。

反物の段階で、帯を買った所の呉服屋に持って行ったのだが、
それが妙に気に入ったらしく(笑)自分の所でも製造元に問い合わせて仕入れていた。

こういう勉強家で意欲的な呉服屋は、この景気と言えど生き残るよな。偉い。



帯は黒地と言っても細かい七色の模様と金糸が混ざったもの。
・・・・と、書くと派手そうに思うのだがそうでもなく。
お見せできないのが残念なくらい、上品で優雅で綺麗な帯だ。

この帯は不思議と他の着物にも良く合って、
前述の極妻仕立ての真っ白な着物に合わせると、
近寄りがたいほどクールな仕上がりになる。


今回は花浅葱色に牡丹の花が抑えた色で描いてあり、
絵の縁が虹彩仕立て(銀箔加工。でも色は金。)で入っている反物を選んだ。

八掛の部分(歩くとチラッと覗く部分)にも虹彩で牡丹が入っている。ちょっと粋。
この模様、後ろには柄が無いので後姿は無地のよう。帯が映えて丁度いい。


この着物は同じ寒色なのに、白い着物と違って不思議と柔らかくなる。
うん、中々に良い物になった。



私はミナミの皆と違って最初は呉服屋さんで着付けて貰うのだが、
呉服屋さんってばその時必ず私の着付けが終わるとカメラを構える。
なんでもファイルに残しておくそうだ。どうでもいいが何に使うのだろう(笑)。



さて、ミナミには『よねくら』という和風スナックがある。
着物のみならず芸奴姿のお姉さんも表に立っていて、ちょっと興味を惹く。

そこのお姉さん方はさすがに着物にはうるさい。
スーツ姿には目もくれぬが、こちらが着物を着ていると、
全身舐め回すように見られてしまう。



昨日は運悪くタクシーが通り過ぎるのを避ける為に立ち止まったら、
よねくらの前に立つお姉さんとバッタリ。

ドキドキしながら黙って歩けるようになるまで待っていたら、
『あら、それ・・・ええ取り合わせやね。どこで見立てたん?』と話しかけられた。
実に光栄である。

ちょっとだけ着物に関するお話を伺ったあと、お店へ向かった。


・・・・何だかさっきより胸を張って歩いている自分がいる。
頬に当たる風も、少し優しくなったようだ。




世間の人がどう思っているかは知らないが、
私はこういう華やかな部分を持つこの仕事が好きだ。


着物にも色々あるけれど、水商売の着物は日常生活では着れない物が多い。
派手な柄や色。所謂『玄人』の着る物だ。


だがこの仕事には、この姿勢が必要不可欠なのだ、としみじみ思う。



普通の格好をして酒を注ぐならば、高いお金を戴く資格は無い。
お客様が味わうのは、酒だけではないのだから。

いかに雰囲気に酔わせ、同じ酒だがここで飲むと美味い、と飲ませるか、だ。



良く人は水商売を称して 『色を売る』 だとか、『ステイタスを売る』 だとか言う。
色んな考え方やスタイルがあるから、きっとどれも正しいのだろう。



だが私個人としては、水商売とは 『非・日常を売る仕事』 だと思っている。



その非・日常の空間に、
お客様を引きずり込み、酔わすために、私達が存在するのだと思う。

その為には、
引退してからは着ることが出来ないであろう柄の着物も、必要なのだと思う。

そう・・・見た目を飾るのも、非・日常を成り立たせる手段の 『一つ』 。



この非日常に、男にとっても女にとっても麻薬のような物の存在があるのだ。
とても言い表し難く、灰色で曖昧な麻薬なのだけれども。






和服を着て出勤前のネオンの海を泳ぐ。


「よくぞ女に生まれけり」 
と、つくづく幸せを噛み締める瞬間だ。



好いた男の腕の中でくつろぐよりも、

どんな大物に口説かれている時よりも、

四肢にまで満たされた快楽を感じて仕方がない。




まさに至福の時。

女であることの喜び。

それを実感する。




女という生き物は、
これまた何とも摩訶不思議な生き物である。

『二日酔いの対処法』
2002年12月06日(金)


んで、ヘロヘロである。


毎日毎日こんなんでいいのだろうか。

本当に今、私が急死して火葬場で焼かれたなら、
さぞかしボ〜ボ〜と良く燃えることであろう。


人間奈良漬。
チョコボンボン。
アサリの酒蒸し。


違うか。
違うな。



んで、お酒の抜き方なんですけど。

自己流なので参考になるかならないかは解りませんが、
是非お試し下さい。



1)まず、たっぷりと水分を取る。
  その水分も、最近流行のアミノ酸モノと一緒に摂取する。
  これはアルギニンというアミノ酸が含まれたものにする。
  
  最近アミノ酸ゼリー飲料はコンビニでもお手軽に手に入りますが、
  私のお勧めは薬局で販売しているVAAMの粉末タイプ。
  これならミネラルウォーターに薄めて飲めます。


2)ぬるめのお風呂に入る。
  心臓に負担をかけないように半身浴が理想。
  
  本当はユーカリ成分の含まれた入浴剤が理想です。
  これは酒の為に熱の発散で痛んだ呼吸器官の粘膜を労わる為。
  これがあるのと無いのとでは随分と違います。


3)お風呂上りの食事はカレー粉の入ったものにする。

  食欲は無いけれど、カレー粉モノは食べましょう。
  本当は百貨店などで販売している『手作りカレー粉セット』なるもので、
  唐辛子と胡椒を抜いたモノを常備しておき、使用するのがベスト。
  (本当はターメリックも入っていた方が良いんですが、ガラムマサラでもオッケー。)
  
  胃が痛んでいますから、唐辛子と胡椒は抜いたものがいいんですね。
  食欲が無い時は、サラダの上からパラパラとかけて食べてみましょう。
  大根サラダにかけたりするとベストです。
  大根は胃に良いし発汗の手助けもしてくれますから。

  カレー粉ってのは漢方薬の塊なんです。
  肝臓の薬とされるウコン(ターメリック)も含まれていますし、
  内容の殆どが漢方胃腸薬に含まれるモノと一緒です。
  で、胃腸薬よりは割安(笑)。食べ物だから抵抗も無いし。


4)後は睡眠。
  ひたすら眠れる人は眠る。
  眠れない人は少しでも横になる。
 

5)起き抜けにもう一度入浴。



これで大体深いお酒も抜けると思います。



本当ならお酒を飲む前にアルギニン入りのアミノ酸を飲んでおくと、
もっと酒抜けは良いんじゃないですかね。


私自身元来お酒に強い方ではないんですが、(異議は却下)
仕事前にアミノ酸ゼリー飲料を欠かさない事によって、
かなりの酒に対応出来ます。



これから減ったとは言え、忘年会やなんやかんやで飲む機会は増えてくるものです。

是非この方法をお試しになって、酒漬けの年末を乗り切って下さいまし。



『バクダンという名の酒』
2002年12月05日(木)


や、やばかった。
バクダンで死ぬかと思った。



マヤさんのお客様の守さんは渋いオジサマで私のお気に入りだ。
自分のメインのお客様が居ても、可能な限り必ず挨拶に行く。

昨日は久し振りにじっくり座れて嬉しかったぁ〜♥


最初に御会いした時、無口で無愛想な彼に手こずった。

あの年代のオジサマのお相手をするのに、私には幾つかの武器があるのだが、
守さんときたらそれが全く通じない。


って事はこの人、究極の『酒飲み』だなと直感した私は、とにかく彼に懐く事にした。

出たトコ勝負。
私というタイプを気に入らなきゃそこまで。


こういう時は本当の意味で駆け引き無しだから、
勝手なようだがホステス側が「 そのお客様を好きか嫌いか 」で判断した方がいいのだ。

究極の酒飲みに計算は通じない。
酔ってても絶対に酔わないから。


この子は自分を好きかどうか、彼等はそれで行く店を決める。
飲む場所なんて彼等には沢山あるし、酒の相手の女なんて山ほど居るのだ。
安い高いも店の内装もグレードもママも何も関係ない。

飲みたい訳ではないが、飲まずにはおられない。
「んじゃどうせなら、自分を好いてくれている女の子の所がマシってなもんだ。」
ってな感じで。


幸いな事に、私は守さんみたいに男の飲み方を知っているタイプが大好きで(笑)。

飲み慣れた客とホステスのあうんの呼吸みたいなものも評価され、
そうやって何度か過ごすうちに、守さんもどうやら私を気に入ってくれたようだった。


私が席に付けない時は、30分くらいでスッと帰り、
昨日のようにじっくり座れる時は長く過ごしてくれるようになった。

これは守さん側の店へのアピールであり飲み千切っているお客のスタイル。
こういう事が私への店側からの評価に繋がると知っているのだ。

う〜ん♪本当に小憎らしい事をなさるんだからぁ♪


さて昨日。
じっくりと座れる私相手に上機嫌な守さん、いきなりビールグラスを4つ用意させた。


ちょっと待て。
マジっすか?


そう、バクダンである。

ご存知ない方にちょっとだけ説明。
ブランデーやウイスキーをビールで割るのをバクダンと言うのです。

これ、恐ろしくまわる・・・・。


時間をみるとまだ10時そこそこ。
をいをい、勘弁してくれよ。


凍りつく客席。

マヤさんは目で私とヘルプちゃんに謝る。
ヘルプちゃんは泣きそう。

周りは成り行きを見守る。
決して守さんと目を合わせようとはせず(笑)。


『なんやお前ら、チャンスボトルやのにやる気ないんか?』

まだ半分はあろうかというチャンス(?)ボトル。
断れる訳が無いのを皆は知っていた。
そして注がれる4つのグラス。


ま、いいか。飲んじゃえ飲んじゃえ。

守さんがこれをするのは機嫌のいい証拠。
嬉しいじゃん。

4人で飲んだら半分くらいすぐ開くさ。
その席にいたおねえちゃんたちは、皆そう思っていたはず。


・・・そして始まるバクダン一気飲み。


ところがどんなマジックか、女性陣は皆ボトル後半でダウン。

これはマズイ!と思った私はマネージャーに飲め!とアピール。
ところがマネージャー、飲むことは飲むが一杯でダウン。

おうおう、酒に弱い黒服ってどうよ!?
もうええ!!退場じゃ退場!!


守さんは満足そうにニヤニヤ。

ところが私が酔ったフリをしてるのに気が付き、またなみなみとグラスに酒を注いでくる。

ここから先はもはや守さんと私の一騎打ち!!


無理矢理チャンスボトルは軽々と空き、2本目の中盤。
さすがにここまで来ると水上と言えど世界が回ってくる。

守さん、もはや渋さの欠片も無く、ガハガハと楽しそう。
あああ。嬉しくない〜!!
こんな酒イヤ〜〜〜ん(泣)!!


『もう脳天まで酒や!!なあ、なおちゃん!!』

『はいっ!今火葬場で私を燃やしたらアルコールで良く燃えます!』

何だかもう2人ともワケが解ってない。
コメントもほのかに怪しい。


・・・・・・。
・・・・・・。


ちょっと待て。
3本目、いっちゃうのかい?いっちゃうのかい?


開けちゃったよぉぉぉ〜〜〜!!


常務、下戸のアンタはどうしてそんなに嬉々としてボトルを出せるの!?
飲めない奴が喜ぶんじゃねえぇぇ〜〜〜!!


と、守さん。
そんな私をみてニヤリ。

『どや?もう止めとくか?』


・・・・・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・・。


『その勝負、お受け致しましょう!!』

『ええねぇ〜!!つくづく男前な女や!!』


結局3本目を半分開けた所で2人ともギブ。
双方痛み分けである。



何だか私も守さんも周りもガハガハ笑いながら終わった。



人間って酔いすぎると世界は立て揺れになるもんだ、
そんな事を考えながら、私は守さんをタクシーまで送る。



乗り際に守さんはつぶやいた。
『今日は面白かったな。またやろう。』



いや、もう勘弁して下さい・・・・・。


(すいません。まだ酔ってます。文章おかしいです。)

『日記書きは癒しになるか?』
2002年12月04日(水)


ウェブ日記とは特殊なもの、と最近つくづく思う。


私の本業は、ショボイながらも看板背負って原稿料を戴いて、物を書く身分である。
年末進行どうしよう。海外逃亡しても追いかける!と脅かされた。・・・・・・恐いわねえ。

それはいいんだが。


とにかくそういう身分としては、どうにも文章をジャンル分けして見てしまう。

ジャンルと言ってもノンフィクションとかSFとかラブロマンスとか、そういう分け方ではなく、
書き手のスタンスとしてでの話で、

・自己満足の為に書くもの
・商業として書くもの

非常に大雑把だがこう分かれるような気がする。


前者は「他人の目に触れる事は少ない世界」の文章に分類されて、
後者は「より多くの人間の目に触れることを利益とする世界」の文章になる。


勿論前者の中には自己満足ではあったが、死後クローズアップされて、
多くの人間の目に触れられる世界に行ってしまった文章もある。



だがしかしウェブ日記とはこの両者に属さないようで属す。

自己満足という自己の世界も存在し、
だが多くの目に晒されてゼニにはならんが『読み物』としての属性も発生する。


非常に面白い世界だ。
ゼニにならないのに読み物として成り立つというのはこれいかに。


********
さて最近私は、
小町さんの『 われ思ふ ゆえに・・・ 』『 vs.ストレス 』を拝読して、感心してしまった。


なるほど、と思うのはこのくだりである。

『しかし、「書く」というのは私にとってそれと対極にある行為である。
 文章にするためには自分の中の暗雲と対峙しなければならない。
 それもかなり冷静に。ひとつひとつピンセットでつまみあげ、表から見たり裏から見たり。
 その過程は私に「鬱々」を再認識させるだけで、
 「吐き出せてスッキリした」などと思わせてくれることはまずない。
 もっとも、私のテキストが「思いを切々と綴る」「胸のうちを吐露する」といったスタンスで
 書かれていないということもあるだろうが。』


いや、まさに同感だ。


私も商業の枠に嫌気が差し、ここを逃げ場に・・・という理由で書いていたが、
途中から所詮は自分が『読み物』としてのフィールドを求めてここなのだと思い直した。

私にも書く、という行為はストレス解消にはならない。

本当にストレス解消だというのなら、こっそり書くべきだろう。
読み物の世界に属するウェブは不適当だ。


********


話は逸れるが、何故だか日記書きが癒しになると云う風潮が主流だけど、
これは多分発祥元がヒーリング・ライティングから来ているのだろうと思う。


だが本来ならばこれは専門家の治療手段であって、
吐露の段階において良いイメージの暗示を刷り込む事が治療目的なのである。


私自身取材やなんやで色んな流派のカウンセラーにお話をお伺いし、
記憶のメカニズムやトリックの実験台になったりした。(楽しかった。)


その時に恐い話を聞いたのだが、
治療ではなく素人が(精神分野での)ツラツラと心を書き綴っただけならば、
その結果は良いようにも悪いようにも転ぶらしい。ああ恐ろしや。

惜しむらくも消えてしまう日記というのは悪い例なのだろうか?



小町さんの、
『その過程は私に「鬱々」を再認識させるだけで、
 「吐き出せてスッキリした」などと思わせてくれることはまずない。』

とおっしゃるのは、まさに文章の危険性を自然と認識し、
回避されている方ゆえの言葉だ。


こういう方は上手くバランスを取れるウェブ日記の上級者なのだろう。


********


勿論、彼女は人の暗も書く。
だが本当に言わんとする目的は、あくまでも自分の形であり色なのだ。


彼女はきっとリアルの世界でも彼女のまま。
文章と同じように味のある、パンチの効いた女性なのだろう。


そして文章と同じく、
1ページ1ページを積み重ね、自分を現わそうとしているのと同じく、
実生活においても自分を表現しているのだろう。

そしてまた、自分に対峙した人間を、
ゆっくりと消化しながら愛情深く見れる人だろう。


読むほうにはページを重ねるごとに、それが怖いほどクッキリと伝わる。


そしてその伝わりこそが、見る人間の本当の癒しであるのだ。
彼女自身が気づいているのかどうかは知らないけれど。
(今頃彼女の背中あたりが痒くなっているんじゃないだろうか。うしし。)


以前リンクさせて戴いた歌舞伎町の御仁も、
ともすれば客や周りへの毒舌満開なのだが、
毒舌を愛着に転換している部分に、彼のひととなりが覗く。


そう彼も、描いているのは実は自分自分自身であったりする。
客の様を売りにしながら、それ以上に自分の無様さを叩き出しながら。


そういうものが見え隠れするものはやはりいい。

今更私如き小者が、
御二人に、または皆様に向けて言う言葉では無いのだけれど。


********


良い日記を目にした時、私は嬉しくなって素直に感想を送ってしまう。
澱を残しそうなものは、自分でも気が付かぬまま遠ざかってしまう。


そして自身を振り返る時、良い日記を目にした時、私もこうありたいと思う。


オミズ日記にそれなりの美学も持っているし、
本業は尚更主義を重視して書いている。

だが本当に書きたいのは自分の姿だ。


私が良い日記を目にしたぶん、をお返し出来るかどうかは、
これまた皆様の目を通さねば、測れぬ事なのですが。



己への自戒も込めて。




みなかみ拝

『水商売適正診断!』
2002年12月02日(月)


面白いのを見つけた。

水商売の適正診断!


お客様の立場でも楽しめるみたいです。
男性諸氏もどうぞ。






ちなみに以下は水上の診断結果です。

**************************************************************
ー診断結果ー
**************************************************************


「あなたの水商売適性度は総合的に85%です」

あなたの水商売適性は「向いてます」水商売といってもいろいろありますが、
基本的にはなにをやってもうまくいくでしょう!
純情な男どもを手のひらでころがしてください。


ーあなたにピッタリのお店のタイプー

・高級クラブ
・ニュークラブ
・スナック


お勧めしないお店のタイプー
・特にあわない店はありません


ー詳しく見るとー

高級クラブ・95%
あなたは高級クラブで働くために生まれてきた女性です。
あなたはやさしい心の持ち主です。
その心を生かして世のおやじどもをいやしてあげてください。


ニュークラブ・88%
あなたにはニュークラブで働く才能があります。
街じゅうあなたのうわさでおおさわぎ。
あなたの美貌に男はクラクラでしょう。


キャバクラ・59%
あなたにはキャバクラで働くことは、いい勉強になるんではないでしょうか。
世の中の男のばかさかげんがわかります。
彼氏にはばかになってもらいたくないものですね。


スナック・75%
あなたがスナックで働くことに賛成します。
けつに根がはえる客が多いのがスナックです。
店の売上げの貢献のためにもあなたは必要です。



ーおまかせする仕事内容ー
★あなたのその美貌があれば、それ以上のことは何も望みません。


**************************************************************








・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・。




『私の飲んだマズイ酒』
2002年12月01日(日)



土曜日の晩に、地元ぱぱ(もと有名人)から電話。
何だか荒れている。


『なんでお前は俺の傍におらへんのや!
 こんな所で飲んでてもおもろないんじゃ!』


・・・・べりーべりーに酔っている。


繋がらない話をなんとか繋ぎ合わせて聞いていくと、私がかつて地元で勤めていた店がまた、ぱぱを怒らせたらしい。
もう、しょうがないなあ・・・・どうやったら怒らせることが出来るんだ。
あんな面白いオヤジ、そうそう居ないのに。


『お前が「私が辞めても顔を出してね」って言うから今まで我慢もしたけど、
 もうええやろ!!あんな店二度といかんぞ!解ったか!』

私が一番胸の痛くなる言葉だ。


華やかな世界・・・・それこそ彼は最近まで、ススキノ、銀座、北新地、中州の一流クラブで飲んでいた人だ。
祇園の有名な芸者を囲って通いつめていた時期もある。


私が地元の店に勤めていた時に嗅覚でそれは掴めた。
彼は所謂『本当の飲み方』を知っている人だった。
(厳密に言うとどの飲み方も正しいのだが)
言葉が上手く見つからないが・・・時代を超えたお客様、とでも言おうか。



バブル期に『上客』なんて沢山居た。探すまでも無く向こうからやって来た。
毎晩何十万何百万ものゼニを落としながら飲む人なんて沢山居た。
だけど私はそれを見ながら感じていた。『これは酒を飲んでいるのではない。』と。


圧倒的な財力の前には常識なんて存在しない。

そんな事は無い!・・・そう言える人間が居たとしたなら、その人は本当の財力を目にはしていないからだ。


金を握った者が勝つ。
酒の上の席ではその構図が昼間よりも顕著に浮かび上がる。


現物を実際に目の前に積まれれば、人生観は変わるものだ。
私もその部分は受け入れている。



だが同時に、圧倒的な財力を前にしても、いくらそのゼニをばら撒いても、学べない奴は学べないのだとも思った。


彼等は 『酒のせいにして人を飲むだけ。』


当然の如く、そんな人達はこの不景気の波にさらわれて消えて行った・・・。



だが圧倒的な財力を持ちながら、尚且つ人としての常識や観念を捨てない人間も居る。
どんなにチヤホヤされても傅かれても、真実を見ようとする。
そんな人はこの波を乗り切り、今でもそれなりに過ごしている。
酒は酒と割り切りながら。


彼(地元ぱぱ)は後者の客と言っていい。

その代わりこういうお客様は掴むのに苦労する。
恐らく私のオミズ人生の中で、難易度が最も高かった人であろう。
とっかかりは向こうの一目惚れだったから若干有利ではあったが、彼にとっての私のポジションを、『失いたくない人間』に築き上げるまでが大変だったのだ。

色抜きの作業も大変だった。
彼の為に店との喧嘩も沢山した。
彼とも喧嘩を沢山した。

商売ではなく、だが商売精神は捨てず、本当の心でぶつかり合った。
私生活の時間も概念も、ある時期は捨てて彼と接した。
その甲斐あってか、今でも彼は私の傍を離れない。
地元からミナミは距離があるのに(そう。私は遠方だが通っている。)、
月に一度は飲みに来てくれている。


『俺を本当に接待出来るのはお前だけや。』そう言いながら。


私が地元を退く時も、私への義理で(詳しくは長くなるから書けない)地元で私の為に飲んでくれると約束してくれていた・・・。
それなのに・・・・。
私が地元に居る時も、1ヶ月で私の年収を飲んでいた程の客だったのに。
時代を景気を越えたお客様に、何て事をするんだ・・・。


『二度と行かない』


この言葉を聞くのが、私にとってはたまらなく辛い。
そのお店が可哀想だとかそんな事は思わないのだが、自分のしてきた事への何パーセントかが無駄にされた思いと、何よりもお客様がその言葉を発する気持ちを思うといたたまれない。


彼等が何の痛みも無く、その言葉を出していると思うのだろうか?


その言葉を受け流せる、すまないとは思わない、店側のその神経を疑う。
普通の人間関係なら許されるのかも知れないが、ビジネスである以上、その言葉を出させてしまうのは絶対に許されない。
金銭をキッチリ納めている以上、受け取っている以上、失格だ。


私はうんうん、と話を聞きながら、涙を流していた。
察したのか、ぱぱの口調が和らぐ。


電話を置き、休肝日だがワインを開ける。
眠りたいから、少し飲む。








マズイ酒だ、
そう思いながら。

old day    days list    new day

mail    home    photodiary







Design by shie*DeliEro
Photo by*Cinnamon


88652+