2008年08月31日(日)
なみだ

涙は心から流れるから

流れた分だけ心は

軽くなる

浮かび上がることはなくとも

浮かび上がろうと頬を伝う


誰のために 何のために

疑問もすべて流れ落ちたら


水面まではもうすぐだ

目を腫らしたまま

心を晴らして


いま 精一杯の笑い声を

いま 再出発の雄叫びを





2008年08月28日(木)
このサヨナラが

このサヨナラが

すべての終わりだったなら

どんなにか僕は

幸せだったろう


走り続けて

疲れるまで走り続けて

たどり着いた楽園の

君の隣でサヨナラは

笑ってたんだ

どこまでも悲しい瞳で


このサヨナラが

すべての終わりだったなら

どんなにか僕は

幸せだったろう


サヨナラが指差した道の先

絶望の底で自分を笑って


まだ終わらない

世界は僕が

終わることを望んでいない





2008年08月27日(水)
微笑んだけど

君にとっての偶然が

僕にとっての必然だったこと

君はまだ知らないでいる


月曜日の朝も

水曜日の夕方も

偶然だねって微笑んだけど


貴方のとっての偶然が

私にとっての必然だったこと

貴方はまだ知らないでいる


月曜日の朝も

水曜日の夕方も

偶然ですねと微笑んだけど





2008年08月25日(月)
道化師の恋

膨れ上がる気持ちの

抑え方も知らないで

勝手に盛り上がったんだ

ピエロはひとり

終わった舞台で踊り続ける


たった一度きりの

あなたの笑顔で光を失い

ありもしない未来を求めたんだ

ピエロはひとり

笑顔のかけらを握り締めて


もういいんだよ

と言う人も

みんな我が家へ帰っていった

がんばったんだね

と言う人も

みんな我が家へ帰っていった


誰もいないテントに響く

ピエロがはじめて

声を出した日





2008年08月23日(土)
終わりの予感

傷つきたくないと

思ってばかりの僕は

逃げて逃げて逃げて

こんなに遠くまで来てしまった


遥か向こうに君が見える

薄霧のせいで霞んで見える


意気地なしだと思うんだろう

ほかの誰かと笑うんだろう

それほどまでに君のそばは

温かくていい香りがして

不安だったんだ


傷つきたくないと

思ってばかりの僕は

逃げて逃げて逃げて


どこまでも追いかけてくる

恋の終わりの予感から

逃げて逃げて逃げて





2008年08月21日(木)
君のマジック

純心な

あまりにも純心な

君の心を闊歩して

無邪気な悪を

許せる自分を探している


騙されるでもなく

嘘をつくでもない

忌憚のない言葉や

涙や仕草や行動が


僕をまた少し

優しくさせてくれるから


それは君のマジック

魔法の国で揺れながら

恋の夢をみる昼下がり


すべてを包み込む

覚悟と準備はもうできている





2008年08月20日(水)
邂逅

手紙を書くよと

言ったまんまで止まった時間

知らない間に君は遠くの

街で大人になったのですね


帰り道

離れられずに陽が落ちて

月が照らした砂浜で

波の音にただ二人は揺れて


思い出

とは遥か昔の美しき夢

月が照らした砂浜に

いま一人歩く心は揺れて


今の全てを

捨ててまで

帰りたいか

と自問する


手紙を書くよと

言ったまんまで止まった時間

止まったからこそ美しい時間


そうだ僕が守るべき

ものは今にしかない

とわかっていたんだ





2008年08月19日(火)
リアル

雄大な

自然の一部に溶け込むと

僕が世界を作り上げる

大切なひとつの欠片

かどうか不安になる


大地に

しっかりと足をつけて

大空を見上げていると

このまま消えてしまいたい

儚さを求める心が疼く


つないだ手だけが

僕をこの世界にいさせてくれる

たったひとつのリアル


ふたしかなものに怯えて

たしかなものを探して

ようやく見つけたリアル


手を放さないと誓った

あの日の言葉がふと

胸の奥に戻ってきました





2008年08月12日(火)
つむぐ

近づいては離れ

離れては近づいて

大人になりきれない僕らは

居心地のよい距離を

測りきれないでいたね


偶然がつないだ

見えない糸は

見えないことをいいことに

知らない間に切れたりするから


手をつないでみる

切れた糸さえ紡げるほどの

この距離がいつか

僕らにとって居心地のよい

ハッピーな距離になりますように





2008年08月11日(月)
失敗の広野

ぐちゃぐちゃと

山のように積み上げられた

数え切れない失敗と


まっすぐに高く

塔のように積み上げられた

数え切れない成功と


どちらが未来の安定を

保証してくれる?


失敗は積み重なって

積み重なってやがて

成功の土壌を作る


不安もまた積み重なって

積み重なってやがて

自信の土壌を作る


失敗の広野で笑おうか

たいしたことないぜって

成功の種を植えてみようか

どうせ人間

空高くなんて飛べやしないし





2008年08月10日(日)
だからもっと

不完全な人が

どれだけ本気になったって

どれだけ本音を言ったって

やっぱりどこかで

無理をしている


不完全な人は

不完全だと認めたくなくて

不完全から逃げ出したくて

やっぱりどこかで

無理をしている


偉い人が言ってたよ

支えあってこその人なんだって

強い人が言ってたよ

弱さを認めれば強くなれるって


だからもっと

そばにおいでよ





2008年08月08日(金)
竣工

言葉の端々に

小さな想いを詰め込んで

何度も何度も繰り返す

届け届けと繰り返す


それは

僕らの間にあるものを

言葉の間にあるもので

埋めていくゲーム


小さな橋ができました

やがて道へと変わるでしょう

それでもやっぱり想いを込めて

小さな言葉を重ねていこう


雨が降っても

槍が降っても

崩れ落ちない僕らになるまで





2008年08月07日(木)
愛ゆえになんて

追い込まれた僕が

実は君を追い詰めていた

壁を背にしたまま

壁ごと君に迫っていって


あまりにもまっすぐな

言葉のナイフを突き刺した

そのあとで気付く

悪いのは誰なのか


言葉のナイフは君の心の

深い暗闇に刺さったままで

正当防衛ぶったとしても

傷ついたのは君でした

傷つけたのが僕でした


君の涙で

高ぶる心が冷えていく


このまま凍死してしまいたい

愛ゆえになんて

つまらない言い訳もできないように





2008年08月06日(水)
やじろべえ

始まってもいないのに

始まってもいないから

僕らはきっと

うまくいってた


チクリと胸が痛むのです

始まろうとしてしまった

あの日の後悔で

チクリと胸が痛むのです


静かに揺れていた

やじろべえがひとつ

コトリと落ちて壊れるように


強い風の日

誰にも気付かれず

コトリと落ちて壊れるように


胸の痛みが

消えないのです





2008年08月05日(火)
ちっぽけな

大切なものが

次々とうつりゆく

そのなかで僕らが

ときどき見失う

一番大切なもの


後悔だけが残っている

過去に見捨てた一番が

色褪せてしまわないように


たとえば今日が

世界最後の日なら

僕は迷わず

君に会いに行く


仕事も夢もちっぽけな

君に比べれば

あまりにもちっぽけな





2008年08月02日(土)
愛してるの裏側

愛してるって

その口が言うときの

裏側にある感情が

どうか美しく

ありますように


器用になりすぎた人類は

その心の入れ物に

たくさんの感情を詰め込める

取り出したり捨ててみたり

たくさんの感情で遊んでる


愛してるって

その口が言うときの

裏側にある感情が

どうか美しく

ありますように


どうか無邪気で

ありますように





2008年08月01日(金)
水色

水色ママは言いました

あなたのために笑っているのと


水色ママは言いました

あなたのために泣いているのと


あたしが見たかったのは

ママのために笑うママなのに

ママのために泣くママなのに


水色ママは言いました

あなたのために笑っているのと


笑ったあとにすこし

泣きました


笑ったあとにすこし

壊れました


無理しないでね


あたしの言葉が

水色ママを壊しました





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