2008年03月28日(金) |
糧 |
あの日僕らは 何かをしようとしていた その記憶だけが胸の中で ずっとずっと くすぶっている 思い出せない過去 忘れてしまえばなにひとつ 残るものはないんだと 弱気なことを考えていた 思い出せない過去 でもその過去の上に今がある たしかに残っている 僕の身体の一部となって たしかに残っている あの日やり逃した何かですら 僕の身体の一部となって |
2008年03月25日(火) |
動き出す |
停滞していた時間が もう一度動き出すとき 僕らにできることは 最初の一歩 最初の一歩を決める それだけだ 笑いあえた時間を わずかでも覚えているなら たぶんまた笑いあえる それだけを信じて ゆっくりといま その歩を進める |
2008年03月22日(土) |
騒げ |
立ち止まって 動かなくなったら あなたはもう 存在していないのと同じだ それは 死 それは 絶望 それは 空虚 めまぐるしく変わる世界で 目覚まし時計のように騒ぐ そうでもしないと 君が生きてるかどうかすら あやふやになってしまう |
2008年03月20日(木) |
2号線 |
どうせなら 悪態ついて怒鳴り散らして めちゃめちゃに泣いて 僕を何度も叩いてほしかった 雨の音 遠くに聞こえるサイレンが うつむく二人を通り過ぎて 君の唇が さよならを告げる気がした そうか僕らは 喧嘩ができるほど まだ近づいてもいなかったんだ |
2008年03月18日(火) |
優しすぎた抱擁 |
できるなら 忘れたままでいたかった 心に開いた穴が 春風とともに舞い戻る 手のひらに 鼻先に 唇に ふわりと 香り ちくりと 痛む 優しい棘に包まれる 戻りたい? 繰り返すのは 意地悪な自問自答 優しすぎた抱擁に 君が僕の手から こぼれたあの日 |
2008年03月16日(日) |
惰性世界 |
はじまりがいつだったか 曖昧な記憶 僕は幸せだった? 自問しても答えはなくて 忘れながら生きる毎日に ときどき刺激を求めていた それが君だったのか あるいは別の何かだったか 今ではもう知る術もなく ともあれ僕は 世界に慣れてしまったみたいだ 終わりにしようかと悩んだけれど ピリオドを打つ勇気もなくて ともあれ僕は 世界に慣れてしまったみたいだ 戻れない時間の河の 流れを楽しむことさえできない そんな空虚に 心の真ん中を占領されていたりする |
2008年03月12日(水) |
自分への言葉 |
どんなものも 壊れるときは一瞬で 気がついたときにはもう もとどおりには戻らない 戻れない 時間が取り戻せないように 音も立てずにいたから 壊れたことにすら気付かなかった 僕らの間にあった小さな隙間は 広がってたぶん戻らない 戻れない 笑顔さえも過去になってしまう すべては変わっていく 後ろを向いたらあっという間に 取り残されてしまう気がする だから前を向くしかないんだ 僕らは 変わってゆくさまを 見届けながら受け入れながら そうして強くなるしかないんだ これは 自分への言葉 美しくもないし 誰かに伝わるとも思わない 思うが侭に綴る 自分のための真実の言葉 |
2008年03月10日(月) |
一歩 |
立ち止まってしまったら 歩き出すのが怖くなる そんなことわかってて 立ち止まったんだ 手を引いてくれる君の 優しさが伝わってくる ただそれは愛ではなく 同情に似た何かなんだと 期待せぬよう言い聞かせていた 一歩 ただ一歩が踏み出せたなら たぶん僕は歩いていける その一歩 その一歩が踏み出せないから 君をまたこの場所に 立ち止まらせてしまっている |
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