2008年02月27日(水)
いたみ

ぶりかえす胸の痛みが

いつのものかわからなくて

そんなにも痛みを

忘れていたのかと気付く


雨のにおいが

連れてきた痛み

輪郭は見えないけれど

切なさだけは覚えている


言葉の端々まで

あの日は多分

とがっていた




2008年02月25日(月)
テーブルゲーム

ペットボトルに残っていた

なんだかわからないものを

一気に飲み干す


たとえばそれが毒薬で

僕の身体が溶けてしまおうとも

たとえばそれが媚薬で

僕の身体が溶けてしまおうとも


ようするに足りないのは

いつだって踏み出す勇気


壁なんてないのに立ち止まって

壁を自分で塗りつけて

前に進めないと嘆く


壁だらけの世界

まるで迷路みたいに

何度もふりだしに戻る日々


ちゃぶ台ごとひっくり返すような

強い力に憧れながら




2008年02月22日(金)
薄情な羊

足りないものばかりが

気になってしょうがない

幸せまみれの世界では

誰もがみんな臆病な羊


夢を見てたよ

泡となってはじけて消える

幸せがあるってニュースで言ってた


夢を見てたよ

夢を見てたと気付いたことが

今世紀最大の発見なんだってわかった


ふわふわと浮かぶ

夢見る人を眺めながら

目覚めてしまったんだ

わかってしまったんだ


幸せのなかの不幸せ

幸せなのに不平不満

結局みんな

薄情な羊





2008年02月20日(水)
リセット

何も手につかない

そんな日には

ただ空を見ることにした


遠い未来のことは

何にもわからなくて

近い未来のことを考えて

時間がないと嘆くけど


雲の流れに心をまかせる

地球とひとつになろうとする

そんなことで毎日は

簡単にリセットできるんだと知った





2008年02月18日(月)
1%も

いま僕が一人で

雪を見ながら君を想って

いるときに君は

きっと僕のことなんて

1%も考えていない


絶望から始まる恋ほど

気楽なものはないんだね

些細なことで喜びながら

けして堕ちることはない

君に溺れることもない


いま僕が一人で

雪を見ながら君を想って

いるときに君は

きっと誰かを想っている

100%で 僕以外の


絶望から始まる恋ほど

気楽なものはないんだね

と決めつけて笑ってみた

雪は白く冷たく寂しいけれど

涙の一つも流れてくれない




2008年02月14日(木)
月夜に誓う

たぶん答えはわかっていた

わかっていたけれど

それでも前に進むしか

今日の私は知らなかった


たぶん答えはわかっていた

わかっていたけれど

進まなきゃ繰り返し

繰り返し繰り返し

夜は私に訪れた


ひとりになれた日

火は熱いんだと知りながら

飛びこんでゆく虫けらみたいな

私は私 不器用なまま

そんな私を嫌いになれない


きっといつか後悔するわ

私は私 夜に遊ぶ蝶のように

月夜に誓う 

ひとりになった

今日がはじまり





2008年02月12日(火)
いまこの刹那の

淡々と語る

その口先に宿るものは

本音を隠すレィスのヴェール


信じちゃいけないって

誰かが言ってた

けれど信じたい

僕がいるこの現実で


騙されてもいい

と思えるほどの盲目

未来が闇に消えるとしても

浮世に漂う罪の波間に


いまこの刹那の幸福を

いまこの刹那の悦楽を





2008年02月11日(月)
絶え絶えに揺れながら

つぶれてしまうなら

いっそのこと僕のそばで

なにもかも捨ててしまえば

僕と君と二人

世界のすべてになれる


嘘をついた

その嘘に押しつぶされた

息も絶え絶えに揺れながら

君の視線を追いかけている




2008年02月03日(日)
すべて僕になるくらい

あなたの寝息が

安らかなほど僕が

あなたにとってどれほど

大切なのかを感じられる


一瞬の油断すらないくらい

気持ちを注ぎ続けよう

眠りにつく瞬間のその思考も

目覚めてすぐの寝惚けた脳も

すべて僕になるくらいに


あなたのため

その言葉ひとつで

たぶん僕は何にでもなれる





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