砂漠の図書室
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2003年01月10日(金) 『Vocalise』 Slava


私は、
愛する御方のうちに、
造られた美のすべてを見た。


知的な美、
思考の深さ
(中略)
天性の才の崇高な飛翔、
芸術の霊感を。
(中略)
倫理的な美を、
善いものと純粋なものの輝きを。


また、
被造界の目に見える美をも。


つまり、
秩序ある均衡ある無限なる美。
調和の美。
形や色の美。


(中略)


魂は見る -- 造られざる美が、造られたものたちのなかに、
その壮麗さの何かを注いでいて、
神は、いわば、
美しいものの、美である。
そして、
このことはすでにすばらしい眺めである。

-- リュシー・クリスチーヌ --

『神、この、もっとも曲解された名』
アンリ・カファレル著 ; 高橋たか子訳
女子パウロ会 2001.2

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先日、スラヴァという男性ヴォーカリストの『ヴォカリーズ』(VICP5782)というCDを買った。
タイトルにひかれて、
「G線上のアリア」等を含む曲目にひかれて、
帯にあった「声の奇跡 魂をゆさぶる言葉なき世界」という言葉にひかれて、
そしてスラヴァという名前自体にひかれて。
(私はスラヴ系の国とか音楽が好きなようなので)。


それ以来、毎朝、毎晩聴いている。
特に「The quiet melody」という曲。
原曲はラフマニノフの無伴奏合唱のためのロシア正教会典礼音楽『聖ヨハネ・クリソストモスの典礼』の中の1曲だという。


朝は、ゆっくりと明るさを増していく窓の光を見ながら。
夜は、ルブリョフの聖三位一体のイコンを眺めながら。
昼間も、ふと気がつくと頭の中で曲が鳴っていて、
仕事の忙しさが先週、一段落したこともあって、静かさと共にいることができる。


そう、でもやっぱり夜、家に帰ってきて、
イコンを眺めながらくりかえしこの曲を聴いていると
あまりに美しくて泣けてきそうになる・・・


聖三位一体の憩う世界の、天上の世界の、
あまりの美しさに・・

その美しさが
地上にも、たえまなく
降りそそがれていたことに・・


2003 02/20 08:29 記


clara-p |MAIL