砂漠の図書室
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2001年04月09日(月) |
プスティニアと宮沢賢治 |
(前略)
慾ハナク 決シテイカラズ イツモシヅカニワラッテイル
(中略)
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ 小サナ萱ブキノ小屋ニイテ
(中略)
ヒデリノトキハナミダヲナガシ サムサノナツハオロオロアルキ ミンナニデクノボートヨバレ ホメラレモセズ クニモサレズ サウイフモノニ ワタシハナリタイ
「雨ニモマケズ」より
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宮沢賢治の魅力はその作品世界とともに、この詩に象徴されるような彼の生き方にもある。
「小サナ萱ブキノ小屋ニイテ」 というのは、まるでプスティニアのようである。
そしてプスティニク(=プスティニアに住む人)のように賢治は花巻農学校の教員を辞めて、農民とともに生きるため独居自炊の生活に入った。 そして大きな評価を得ることもなく世を去った。
「この世にまたとないほどの愚者であれ」 とは、アシジの聖フランシスコの言葉だったか、 それともロシアの聖ワシーリィの言葉だったか・・・
今年の9月21日で賢治没後100年とのこと。
2003.7 記
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