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■ 怪・白雪姫と7人の小人
私は運動はキライ。
でも二つだけ好きな運動がある。ひとつは水泳、そしてもうひとつはスポーツジム通いをすることだ。マシンジムをメニューどおりにもくもくとこなしていく、それは誰にも邪魔されない一種の瞑想タイムと化していた…のだが…以下はそれにまつわる大変恐ろしい話である。
仕事を辞めて、少々遊んで、ということが許されてた頃。そう29歳の頃だろうか(許される年齢じゃないってか)。私はあるスポーツジムが気に入って週に4回は丸一日そこで過ごしていた。メニューはごく普通のもので体脂肪なんかが見る見る減ってきてジム通いがますます楽しくなってきていた。
そこには色んな人がいた。
プロゴルファーで調整のために通っている人、ぶらぶらしてるフリーター、学生の娘さん、レゲエな調理師さん、ウェイトトレーニングに励んでいる人。インストラクターさんもきれいなお姉さんとかわいいお姉さん、軽そうな、でも感じは悪くないお兄さんの3人だった。そんなに忙しくないジムだったので、のんびりほのぼのしていた。そんなこんなで通いはじめて3ヶ月くらいが経過した頃のことだった。
ウェイトトレーニングに励む一人の人が目に入った。
あまり見かけない人で一見男か女かわかんない外見。一応ピンクのトレーニングスーツを着ているがそれでも良くわからない。ピチピチなスーツなのに、胸を見ても判断がつかなかったのだが、じ〜っと見ているとどうやらかろうじて女?とわかった。
髪はベリーショート、顔は…アブナい表情。これまた子供なのかおばさんなのか全くわからん。でもこういう場合って若いことが多いんだよね。
ちょっと恐いながらも彼女のトレーニングッぷりに注目してみた。かなりのハードトレーニングであった。筋肉をつけるのだろうか?そういえばボディービルダーっぽい。ダンベルもかなりの重さでいち〜にぃ〜とやっている。
インストラクターは公平に話し掛けてくれるので、その人とも話していたが、声がさっぱり聞こえないのであった。そう、とても小さな声で内向的にしゃべる人かな?という感じであった。
もうひとつ不思議なことは、彼女はトレーニングの合間に自分で持ってきた本をぱらぱらとめくって見ているのであった。何見てるんだろう?でも、見かけによらず?何かのスポーツ選手かもしれないので(リフティングとか)鍛えた筋肉の部分を筋トレ本で確認しているのかな?とも思った。
気が付くと、私の次のメニューは彼女の近くのマシンを使うトレーニングになっている。じゃそれをやろうかな〜と思い、彼女がタオルやらその本やらを置いているベンチの近くのマシンに歩いていった。そして何気なくチラッとその本の表紙を見た。そのとき私は戦慄した…なんとその本の題名は…
”白雪姫と7人の小人”
だったのだ!!ええええええ〜〜〜???
驚く私を尻目にその彼女はダンベルを終えてこちらにやってきた。そして…椅子に座りながら白雪姫と7人の小人の本をめくっているではないか!しかも白雪姫が死んで丘の上でガラスの棺に入り、王子様がキスしようとしている場面!!…そして彼女は私の方を振り返った…
ニタ〜〜〜〜〜
…と笑ったんだよう!!!恐い恐い恐い!!!えっえっえっ一体何なの??
私は大急ぎでインストラクターさんに訴えた。あああのひとお〜アブナイですよ〜〜!!インストラクターさんは言った。
「ええ??何が?そんなことないですよ〜」
そんなバカな。じゃ、ジムの合間に見るあれは何なんだ。みんなやりながら見てるのか?A4サイズの絵本だぞ!しかも白雪姫だぞ。なんでみんな気がつかないんだ!!もはやこれは怪奇映画、ホラーである。
恐くなってサウナでも入って帰ることにした。ここは裸になって入るタイプのサウナだったのだが…ヤツが追っかけてきたんだよう。裸で見つめあうこと3分間。もう限界だよ。私は毒蛇ににらまれて動けないような状態だった。何とか逃げ出してさらに逃げ帰った。
それからヤツには会っていない。 一体なんだったんだろう??しかしインストラクターさんに聞いたら「そんな人いないですよ〜」なんて言われたりしたらね…余計に恐いので尋ねませんでした。しっかし、筋肉作りながら白雪姫と7人の小人を見る人間って、どうなん?笑っている場合ではない。あなたも出くわすかもしれないからね!
私のマジこわ恐怖体験でした…
2003年07月18日(金)
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