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■ ああ、猪木イズム
都内近郊の団地に伝説がある。
本当かどうかわからないが、ある団地は恐れられている。どのくらいといったら、地元のヤクザですら一目おくような状態だという。団地の中に住んでる若いやつらが結束しており、この団地の中の連中に何かあったときみんなでお礼参りにいく。団結しており、それは恐ろしいという。
その団地の近辺にはコンビ二が一軒もない。危なくて作ろうとするような経営者がいない。団地付近にはコンビ二どころか店が一軒もない。団地に近づくと灯りですら減っていくという。
消費者金融に勤めている人間もその話は知っている。人にお金を貸すときには身分照会をするので、どの地区がどんな借金状況なのか検索すればすぐわかる。とても状況の悪い地区(団地とかマンションなど建物)は確かにあるそうだ。
これはある種の都市伝説かと思っていた。人面犬とかみたくね。ところが自分の古い友人(男)にそこと関わっていると思われる話を聞いた。
彼は人間はまっすぐで大変いいやつなのだが、家庭で色々事情があり、荒れていた。そして高校進学では東京近郊の偏差値最低の私立男子校に入学することになってしまった。そこには事情のある彼ですら想像を絶するような家庭環境の生徒が多かったのだそうだ。
高校に入るまで電車に乗ったことがなかったというクラスメイトが少なくなかったらしい。この現代日本で産まれてから16年間電車に乗ったことがない人って…家族構成を聞くと6畳2間に家族6人で住んでいるとか。で、住所はみんな同じだったそうだ。そう、おそらくあの団地ではないかという。
そんな高校ではかなりの人間がひどくグレだして、どんどん退学していったという。俺が辛いときは世間のやつらはみんな楽しいんだ!と思うと犯罪に走るようだと言っていた。
そんな高校にいて、私の友人の彼はどうだったのか?彼はまっすぐなままであった。そしてまっすぐなまま、大学受験に失敗し人生どうしようと悩んでいるときにバイト先で私らに出会った。
しかし、彼も相当な家庭環境だったし学校もそんなだったのになぜ悪いことしなかったの?と聞いてみた。彼はこう言った。
「俺が辛いときは、アントニオ猪木はもっと辛かったんだと思ったからですよ!」
…そう、彼は強烈な新日猪木派、通称”猪木イズム”の信仰者だったのだ!猪木のお陰で人生やってこれましたという。おお、猪木イズムは彼と彼の周辺の人間を救った。偉大なる猪木イズムよ…
そして彼はかわいい娘さんと結婚した。結婚式の引き出物は、アントニオ猪木の詩が入った特注のコーヒーカップだった(笑)。
この道を行けばどうなるものか 危ぶむなかれ。 危ぶめば道はなし 踏み出せばその一足が道となる 迷わず行けよ 行けばわかる。
これが書いてあり、夫婦の名前が明記されている。私が過去の結婚式でもらった引き出物のベストアクトだ(ちなみに2位は各人にあった小説をくばったもの。私は山田詠美をゲット)。
彼に言わせれば「猪木詩集」は人生に素晴らしい詩ばかりだという。今もバリバリ猪木イズム。
で、思うに!人間ってえのは家庭環境も大事だけど、心の中に支えとして持つのものこそが大事なんじゃないかなってこと。彼の環境じゃあ凶悪犯罪を起こしたって納得なのに今はインテリアに凝ったりする嫁さんもらったり仕事でちょっと上手くいかないでブルーになったり普通の生活をしてるんだもんね。
ちなみにその団地の噂は定かではないが、そんな伝説も吹き飛ばす心の師匠のアントニオ猪木は凄かったってことです。色々ある人頑張れよ〜
1.2.3.ダーッ!!
2003年07月15日(火)
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