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■ モスクワ・ゲットーの少女
海外旅行を安く済ます最大の手段のひとつに、ヤバイ航空会社のチケットを使うという方法がある。これにはリスクがありアジアの安宿で聞いた話では、某アジア系航空の激安チケットで旅し、飛行機の最後尾の席に座った人が強盗に会い、首を切られて死んでいたという。
私が搭乗したのは、ロシアのアエロフロートという航空会社の飛行機。そこまでではないがこれも嫌な話がある。国内線ではなんとバンバン落ちているというのだ。他の航空会社がもう使わないと払い下げた飛行機を修理して飛ばしているようなのでいたしかたがないと…やだやだ。ま、そんなこんなでアエロに乗ったときのお隣さんのお話。
さて、氷の世界モスクワにてトランジット。私の隣の席にかわいい女の子が座った。tA.tuよろしくかなりの美形。しかしロシア人ぽくないのだが…なんて思ってると彼女は私に話し掛けてきた。
「あなた、こんにちは。私は外国人の友達が多いのよ。あなたも私とアドレス交換してもよくてよ」
聞けば彼女は20歳で、パパと一緒にイタリアに住んでいる兄に会いに行った帰りだという。
あなたは何人?と尋ねると、ジュートと答えた。ジュートって何だ?と考えているとどうやらユダヤ人ということのようだった。じゃ、なぜモスクワに帰るの?と聞くと、
「モスクワのゲットー(ユダヤ人居住区)に住んでるのよ」
あれれゲットーって差別用語じゃなかったっけ?でも自分でそういったからいいんだろうな。お父さんをみるとこりゃまたアドルフって名前かっつーぐらいユダヤ人ぽい。彼女からモスクワの今の若者事情を聞いた。
16〜17歳くらいでみんな結婚してしまい、20歳前で子供が2人、3人といる人が多いそうだ。やっぱやることが他に無いのね…あなたは子供いないの?と聞いたらいるわけないでしょ!と怒っていた。
後は国際結婚が多いとのこと。向かい側に座っている、大変美しいロシア女性の愛息もイタリア・ロシア・スペインの混血とか。あだ名は”ミックスサラダ”ちゃんだそうだ。
今度はお兄さんの話を聞いてみた。
なんと彼女の兄さんはキックボクシング重量級のチャンピオンだった。そして、私は別のイタリアに住んでいた知人から男を紹介すると言われていて、なんとその男もキックボクシングのチャンピオンだった。しかも重量級ってとこまで同じだよっ!
休暇が取れると真っ先にアムステルダム(オランダ。マリファナ合法・幼児ポルノもつい最近までOK、売春は届けを出せば立派な職業、今でも夏は多数のヒッピーがハードドラッグ求めてたむろす・こちらは違法)に直行するようなアブナイヤツだがいいとこあるんだぜー、なんて言われててね。
しかし同一人物かどうかは確認できなかった…チキショー、確かめたかったね。キックは色んな階級や団体があるのでもう少し英語力がないとわかんない。
一緒にワイン飲んだり、シート二つ倒して「ビジネスクラスぅ〜」なんて遊んだりしてたが結局彼女とはアドレス交換しなかった。なぜって?
ロシアは今でも恐い国だ。(彼女がユダヤ人でも在ロシアなら) 数ヶ月前にロシアで人気のロックスターが取材しに行こうとすると、もうとっくに死んでたりする。常識もまるで日本とは合わないし、仕事をなめてるし←tA.tuで証明済み。 彼女もだんだんずうずうしいところを見せだしたので、アドレスなんか教えたらマジでこっちの都合聞かずに日本にきそうだったからなのさ。
彼女は今でも「私の氷の世界、モスクワ」に住んでいるのだろうか、そして結局知人から紹介してもらえなかった在イタリアのキックボクシングチャンピオンは彼女のお兄さんと同一人物なんだろうか?
全ては謎に包まれたままである。
2003年07月05日(土)
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