さあ、お祈りをしましょう。祈りを始めると、眉間の少し上、額の一角が、熱を孕む。血の気が引く時も、「ここ」から魂が抜ける感覚。お祈りをはじめる時、祈りは自分の斜め上に、届くように。額から、殻を破くように。胸に響くように。何度も何度も繰り返す。魂が擦り減っても、構わないから。膝をついて。指を組んで。目に見える全てを、瞼を閉じて消して行く。祈るのは、孤独。さあ、額に力を込めて。お祈りをしましょう。