毎日朝起きて、意識が動く瞬間に、私はカードを1枚めくる。 今日も始まってしまった、この1日。
同じ繰り返し。呼応する嘘。…返事は今日も無い。
「ただ好きなだけ。」
それは大事な言葉。どんなに悩んで、底まで極限的に墜ちて行っても、 私が目を覚ますこの世界で、現実に手に掴む感情は、今はこれだけ。
全てを排除していって、残った言葉がこれならば、私はそれに従おう。 ただ、美しい物の前で、私が何も出来ないように、私は、何も出来ない自分を 持て余しながら此処にいるしか無いのですから。
何時になるか解らないけれど、その存在さえ不明な最後の切り札を、私が 引いて来るまでは、毎日カードをめくり続けて、夜になれば眠るだけ。 つぶらな瞳がまばたきを繰り返すように、開いては閉じる。1日。
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