随分と時間が経ってしまった。
事態が急転するのは、小さな小さなきっかけに過ぎない。 何時だって、「運命の輪」は廻り続けていて、本当にいつも突然、 人に吉凶禍福を放り投げて、その運命を人に強制する。 いつも、事態が急すぎて、そんなふうに、思い込んでしまう。
でも、本当は、幸せも不幸せも、自分が知らない間に選んで、 自らに引き寄せているんだと思う。
私は誰の事も幸せにしない。
…そう思うのは、自分が誰の事も幸せにしたくないからであって、 そしてそれ以前に、自分自身が、自分を幸せだと感じないからだ。
…私は自分を不幸だなんて思わないけれど、やっぱり、 誰かから簡単に与えられる幸せなど、…同じように、他の誰かから、 やはり簡単に奪われてしまうんだろう。
運命の輪の廻る中で、後ろを振り返って立ち止まったら、簡単に、 その車輪に巻き込まれてしまう。だから、どんなに気持ちが後ろに惹かれようと、 決して、立ち止まってはならない。この「時間」より、歩を緩めてはならない。 運命の輪を廻すのは私ではないが、この運命を廻す原動力は、 私自身でしかないから、
その源が枯れ果てるまで、カラカラと虚しい音しかしなくても、この輪を 廻し続けるしかない。そして、自らに轢かれることの無いように注意しながら、 この「運命」に、自発的に従事する。
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