断片的でも、私は、貴方の欠片を知ってとても美しいと思う。
集めているのは単なる欠片。
声。匂い。触感。食感。味。視覚。脳。…何でも良い。
…美しいのは、貴方のその精神的な潔癖さ。 混じりけが無く、率直で刺々しいその感性。 それをくるむ、真綿のような、絹のような。 湿度の高い布のような、皮膚にも似た柔らかい殻。
貴方に会えば、またひとつ欠片は増えるでしょう。 それを得たら、私はまた何かを失うんだろう。
できる事なら、私のこの指であの殻を剥ぎ取りたい。 爪でその殻に傷をつけたい。
でも、本当に知りたいのは、あの人が壊れて行く美しさ。 私がこうして壊れて行くように、あの人の美しさも、誰かの前で 崩れ去っていくのなら。
私はいつも、その最期の美を想像しながら、少しずつ欠片を齧る。
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