JERRY BEANS!!

2004年07月07日(水) エレベーター

少しずつ心が乾燥するから、私は、あなたの記憶に脳を浸す。

この間、とても久しぶりにその顔を見た。

胸がふつふつと沸騰するのを我慢できずに、私はその場にうずくまった。
やっぱり、まだ、何処にも行けない。
…あなたの右手が、私の左の頬に触れてしまったから。
私の唇が、あの人の指に触れてしまったから。

ほんの少しでも、あの人の鋭い虹彩に映されてしまっては、
私は、この心をどこに逃がす事も、捨てることも出来ない。

まるで、高速で落ちるエレベーターに乗った時のように、
足元が覚束なく、気持ちは上に残したままで、躰だけが重力に惹かれて
落ちて行く。その先の死に惹かれて。

土に還って、消える事を望むように。脳が汚染される。

再び闇に落ちて行く。


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nana [HOMEPAGE]

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