JERRY BEANS!!

2004年07月04日(日)

甘く、拡がる。

あの人との現実を噛み締めると、私の知る限り、全ての糖が滲んで、哀しい。

『嘘でも良いから好きだと言って』などと。
…なんてくだらないお遊戯事。

『君がボクをとても好きなのは分るよ。
 それはとてもよく伝わったけれど、君はボクを愛してはないよね?』

私は、肯定する事も、否定する事も出来ず、ただ、その場で硬直した。
私は、あの人には嘘がつけない。…今まで、誰にも言わずに居た秘密も、
あっさりと見破られたし、そしてあの人が出したその答えにも、
首を横に振る事が出来なかった。

嘘は、だらしなく、甘い味。…熱帯の熟しきった果物の香り。

私は、ただ、心に映る自らの『本当のこと』だけを、あの人に知って欲しいと
願ってしまった。ただ、辛いだけの、無味乾燥なその中身を。

願いは叶わない。甘い嘘は、躰に残らずに、どこか別の世界に流れて行って
しまって、そしてもう二度と戻る事もないでしょう。嘘もつけない私は、
このまま、何処へ行けばいいのでしょう。


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nana [HOMEPAGE]

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