昔のバイト仲間に、すこし面白い男が居た。 恋人と、とても仲が良くて、とても愛し合っていたけれど、 同じ家に住むのは絶対に嫌だと言う。
好きな人と、ずっと一緒にいたくないの?と聞いた時に、 彼はこう答えた。
「彼女の、髪の匂いがとても好きなんだ。彼女を抱いた時の 彼女の微かな香りがとても好きだから、それが自分のものと 一緒くたになったことを想像すると、気が狂いそうだから」
もし将来、彼女と一緒に暮らす事になったとしても、一生、 彼女と同じシャンプーは使わない、とも言っていたな。
あの人は、今ごろ何をしているんだろう。一見朴訥な男だったけど、 あの答えを聞いて、私は彼をとても性的な人だと思った。
そんな小さな些細なことまで、気に出来る男はいいな、と思った。
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