雷は怖いと、女はそういうのかなぁ。 本当に? 初めて見た時、私は雷があんまり綺麗で、大きな音には驚いたけれど 怖いとは思わなかった。 空から空気を伝って土まで届く、蜘蛛の糸のような細い細い稲光も、 空を大きく割る光と音も、とても素敵に思えたけど。
雷が「怖い」のは、他人から知らない間に植え付けられた価値観。 女の子なら、そして小さく震えながら男の影に隠れるのが理想に近いと、 誰が言ったのかは、知らない。何処で聞いたのかも。
綺麗な星空をみて、「綺麗」と言う時、貴方は「自然」というものに 感動できると、人から思われるだろう「自分」に酔ってないかな? 言葉には、嘘があるのに。 言葉はいつも嘘のふくみを孕んでいて、少なくとも自分の口から 出る言葉には、必ず幾ばくかの「作為」が絡んでいるんだろうと、私は思う。
口を開いて出るのは、何の意味も無い言葉か。 レプリカのような。擬似の言葉か。
雷が鳴る時、空から土に届くような、そんな言葉があるといい。 細い蜘蛛のような稲光が一面を覆い尽くすように、何かそういうもので、 思う気持ちが伝わればいいのに。音と光と。貴方が見て、解るように。
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