先日池袋のサンシャイン展望室へ行って来た。高いビルの上から 見下ろす街は、深い緑と灰色のビル、小さな家と雑多な人々。 細かく張られた道路と線路と、曇った向うが見えて、なんだかすごい なあと思う。…夕方までそこに居ると、大きく橙色に滲んだ夕陽が くすんだ山際に沈んで行くのが見えた。…そろそろ帰ろうと思って もう一度展望室を一周したら、ふと暗くなった空に、蒼く灰色がかった 白い小さな月がぽっかり、ビルを見つめて浮かんでいた。…なんだか まるで彼が一人ぼっちで居るようで、泣けた。
都会の月はなぜか物悲しい。今日見た実家の月は、左上がぼんやり 滲んで欠けていたけど、壮大で深い山並みと何処までも広がる空と 星と、幸せそうに、紅く染まった白色で浮かんでいた。都会の月は 一人で可哀想で、そして蒼白くて、なんだか人間みたいにみえた。
|