1990年09月19日(水) |
棚卸し −高校生時代− |
祖父の自殺は、家族の誰もに相当なショックを与えた。 祖父が自殺したことは、誰にも言えなかった。 そして、それぞれが一人で悔やむ。
「どうして・・・」 「どうして救えなかったのだろう・・・」 「どうして目を離してしまったのだろう・・・」 「どうして死んだのだろう・・・」 「どうして・・・どうして・・・」
私の高校生時代は、楽しくもあり、苦しくもある時期だった。 不良と呼ばれる友人たちと遊んだりもした。 煙草も吸った。 祖母の前では良い子に振舞う為に、勉強もした。 学年トップクラスの子たちとも仲良くした。 恋もした。 失恋もした。 「俺から別れようと言うことは絶対に無いから。」という彼氏に、「いつか嘘になる約束なんかいらない。」と言ったこともあった。 私は、捨てられるのが怖かった。 母に捨てられた記憶が呼び起こされる。 信用して裏切られるのはもう沢山だった。
ファーストキスも経験した。 処女も喪失した。 しかし、ファーストキスを経験する前に、私はレイプまがいのことをされていた。 それは高校1年生の頃。 相手は兄の後輩だった。 私が処女だと知った男は、流石に処女を奪うことはしなかったが、私の手を股間にあてがい、私の手に自分の股間を握らせ、その上から自分の手を当て、股間を擦らせた。 そして、私の手の中で男は射精した。 誰にも言えなかった。 もちろん兄にも。 妹が大事で仕方ない兄に、この事を話してしまったら、兄は男を殺してしまうかもしれない。 本気でそう思った。 私は、男性の股間を触る事が出来なくなった。 付き合った彼氏に対しても、私の手を股間に持っていかれると、恐怖で力いっぱい抵抗した。 不振がる彼氏には、相手が誰なのかは隠し、何があったのかを説明した。 それにしても、男は、誰もが自分の股間を触らせようと女の手を掴んで股間に持っていく。 その度に私は、怯えながらあの時の事を話さなければならなかった。
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