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diary
2004年03月12日(金) 手紙
「少しだけ、距離を置きたいなぁと、思ったのです。
気付いてみたら(いつもいつも、それは遅すぎるのだけど)、わたしは少し、ことばを軽んじていましたから。
慎重に、慎重に、そのことばが色を失わないように、昔は、口にして居たはずでした。
ごめんなさい。
複テかったのです。
あなたがそのことばを一度求めてから、あなたがそのことばを、いつもいつも求めて居るかと。
そのことばを口にしないと、心を疑われそうで。
待つべきなのです。
ことばが口をついて出てくるまで。
焦れば焦るほど、逆にわたしは不安になる。
あなたはそして、とても勘のいい人だから、わたしの不安を察知して、やはり不安になる。
あなたのすることひとつひとつがすべて、理にかなって居る。
おかしいのはわたしです。
そう知っているから、何も言えない。
でも、そんな言い訳であなたが許さないことも、知っている。
けれど…」
ここまで一気に書いて、そこで筆が止まった。
「けれど」
…けれど、どうしろって言うんだ?
肝心なことは何も言わないのはわたしの咎だ。
面藤テごとを嫌うから、言わないことを決めてしまった。
そして、あなたはそれを肯定した。
秘密を持つことも、そしてこうして、がむしゃらなことばを綴ることも。
自由なんて奪えよ!
知らない知らないもう知らない
愛を与えられ、権利を与えられて、たくさんの笑顔と、表情と、涙と、しあわせを与えられて、なくしたくないものだらけの日常を与えてくれたあなたに、これ以上ないくらいの感謝をしてる。
でも、もう、限界。
わたしのナイフを返してよ!!!
途中まで丁寧に書いた手紙を、ビリビリに破いて、棄てた。
そして指輪を夜の窓の外に向かって投げ捨てた。
もう嫌だ。
もう終わりだ。
ナイフと引き換えに、ぜんぶ、ぜんぶ、棄ててやるんだ。
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サキ
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