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me note diary

2004年02月17日(火) 自慰中毒

肉体的自慰。
精神的自慰。
どちらにしても、日常茶飯事だ。
恋人は四六時中隣りにいるわけではないし、何にせよ、四六時中セックスしているわけにもいかないのだ。


昔の男が死んだという噂を聞いた。
流行病であっけなく、という。
ざまぁみろと思った。
友人の手前、神妙に悔やみなど言ってはみたが。
内心では、祝い酒に赤いおまんま炊いてやろうと躍り上がった。
その前に一応、塩は忘れず撒かなけりゃと思ったが。


その男は「貞淑な女」を望んだ。
性交を持つのは夫婦(めおと)の契りを結んでから。
自慰など以ての外。
口づけすら、汚らわしいと忌み嫌った。


わたしがその男を袖にしたのはそんな理由からも明らかで、今は別の男から心も身体も愛されている。
「ひとり跡形もなく消せるのであったら、間違いなく、あの男を殺すわ。」
と言っていたわたしに、友人が、
「だったら何故、一緒になったの。」
と訊いた。
答えは多分彼女が思い描いた以上に簡単だった。
「あんな男でも、誰も居ない寂しさに泣くよりはマシだったのよ。」


ひとりは嫌いだ。
ひとりになると、決まって泣くから。
思えばわたしはいつだって、想い人に抱かれる算段のなさにやつれて、嘆いていたのだと思う。


「所詮、代用品だ。」


そう思い、我慢した。
喩えそれが世紀末的白痴であっても。


あの男が死んだ。
わたしは狂人のように、ひとり、笑った。
「またひとり。」
笑いが止まらなかった。
指は動いて、てらてらと、濡れる。


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管理人:サキ
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