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diary
2004年01月15日(木) 冬物語
吐く息が白くなって、悴んだ指先で、こうしてペンを握ることが、困難になってきました。
赤く腫れて、少しばかり傷つけたところで、痛みなど感じなさそうです。
あの人は最近ずっと、イライラしていて、煙草の数も、心なしか増えたような気がします。
それを隣りで見ているぼくは、なにひとつ出来ず、ただ鬱々と、灰皿に溜まった吸い殻を、コンビニ袋に空けるのみです。
あぁ、君はどうしていますか?
今でも、ぼくのことを恨んでいますか?
ぼくは自ら進んでこの生活を受け入れました。
彼がぼくにとって、どれほど必要なのか、正直ぼくにはわかりません。
彼にとってのぼくも、きっと同じでしょう。
施設は、かわりませんか?
彼がぼくを迎えに来てくれてから、もうだいぶ経ったように思います。
でも、たったの数か月なのですね。
あの頃、ぼくには未来などないと思っていました。
そして過去も。
そしてあの人が現れたとき、ぼくは彼が、ぼくを救ってくれるような、そんな救世主に見えたのです。
実際どうだったか。
今ここで、ぼくに未来などありません。
それは何よりも確かです。
ただ、あの頃と違うのは、過去があるということ。
君と語る、過去があるということです。
ごめんなさい。ぼくの思い上がりですね。
きっと君は今でも、君を置いて出て行ったぼくを、恨んでいるはずだから。
ただひとつ、伝えたいのです。
ぼくはあの人と間違いは犯していません。
君を裏切らない。
それだけは
やっとここまで書いたとき、彼が帰って来た。
あぁ、また、何年も君に、言葉を伝えられないのか。
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サキ
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