CD It's about time - 2001年06月11日(月) CD REVIEW BW2010 IT'S ABOUT TIME - Othello Molineaux 1993 Big World Music, Inc. click to enlarge 私なべおとこはオテロと仲がいい。というより、オテロが私に仲良くしてくれている。彼は親日派でよく日本を訪れていた。トリニダードの人間に会えるというだけでも嬉しいのに、世界で活躍しているスティールドラムプレイヤーのライブが見れるならという事で、できるだけ通っているうちに仲良くなってしまって、いつのまにか、世話係のようになっていた。彼からはいろいろな話を聞いた。トリニダードの文化について、世界におけるスティールドラムの認識について、彼がそれとどう戦ってきたか、もちろん、音楽についても。彼のまじめで陽気で思慮深く丁寧な性格に憧れているところは多々ある。要するになべおとこはオテロのファンである。 アルバムの話をしよう。Jazzmanとして活躍しているオテロだが、このアルバムの中ではフュージョンっぽいサウンドがトータルな印象として残る。 Othello Molineaux - steel drums Abel Padon - keyboards Johnathan Joseph - drums Marcus Willett - bass この四人が中心となっていて、このバンドにゲストが入るという形になっている。 もちろんJazzの曲も楽しい。Jacoのバンドで一緒にやっていたBobby Mintzer やRandy Breckerも参加している、おなじみBluesetteではいつものライブでのオテロの顔が浮かんでくるようだ。 アメリカのPan Manが作ったアルバムでcalypsoやSocaがどうしても入ってくるのと対照的に、トリニダード出身アメリカ在住のオテロのアルバムでは、トリニダードの臭いはスティールドラムの音以外にはない。POPSで育ったアメリカ人が土に帰っていこうとするのに対して、カリプソで育った彼は逆方向に新しい音を求めているように見える。 93年当時のオテロを表したごきげんな一枚である。 -
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