心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2010年08月05日(木) 睡眠薬と風邪薬

夏風邪をひいてしまい、ここ数日市販の風邪薬を飲んでいました。一昨日あたりから痰が出てくるようになり(良くなってきた証拠)、昨夜から飲むのをやめました。おそらくそのせいでしょう。寝付きが悪く、眠ったのは布団に入って電気を消した1時間後ぐらい。眠りも浅くなり、朝起きるたら睡眠不足特有の頭痛がしました。

市販の風邪薬には、咳止めとしてリン酸ジヒドロコデインが、また気管支拡張のためにdl-塩酸メチルエフェドリンが入っています。

リン酸ジヒドロコデインは咳止め薬の「ブロン」の主成分でもあります。コデインはモルヒネと同じアヘンアルカロイドの一種で、モルヒネほどの依存性はないものの、ブロン中毒になる人たちはコデインの陶酔感を期待しています。

塩酸エフェドリンは、マオウのアルカロイドで覚醒剤の原材料として規制されています。スポーツ選手に乱用があることでドーピング規制の対象になっています。風邪薬に使われているのは安全化が図られたもの(頭に「dl-塩酸」がついている)。

どちらも風邪薬に入っているのは微量であり、通常は問題になりません。(薬の乱用をする人たちは、効果を強くするために風邪薬を20錠、30錠、あるいはひとビン丸ごと飲んでしまいます)。けれど、昨夜僕がよく眠れなかったのは、コデインとエフェドリンの離脱症状で間違いないでしょう。依存症者として、鎮静系や覚醒系の薬物に対して過敏に反応する体質を抱えているのだと思います。

僕はうつのおかげで薬を使わないと眠れない時期が長く続きました。最初はいわゆる睡眠薬です。次に睡眠薬はやめにしたものの、他の用途の薬で眠気を催す薬(ある種の抗うつ剤やマイナートランキライザー)を寝る前に飲むことで睡眠薬代わりにしていました。中でもワイパックス(ロラゼパム)には長く世話になりました。ワイパックスには筋肉をほぐす効果があるので、緊張型頭痛と肩こりを抱えている僕には非常にありがたい薬でもありました。

そうやって薬を飲み続けていると、「僕の睡眠中枢は完全に壊れてしまっていて、一生寝るための薬が手放せないのではないか」という気分になってきます。けれど、医者と相談しながらそういった薬を少しずつ量を減らし、効果の軽い薬に切り替えて、長い時間をかけてやめていきました。(これは同時にうつ症状の軽減があったからこそできたことでしょうけれど)。いきなり全部やめる人もいますが、僕の場合にはそれはうまくいきませんでした。それができるのなら、一度にやめた方が良いでしょうね、きっと。

薬を減らすと、よく眠れなくなります。広い意味での離脱症状でしょう(退薬症状)。けれど、早ければ2〜3日、遅くとも2〜3週間の間には、必ず減らした量で眠れるようになっていきました。

一時期、アタラックスP2(塩酸ヒドロキシジン)というじんましんの薬(かゆみ止め)を使っていました。別に皮膚の疾患があったわけではなく、精神の鎮静作用があるので眠気を催す薬として使っていたのです。これを中断したときには、軽い不眠とともに「皮膚が猛烈にかゆくなる」という副作用が4週間ほど続きました。アタラックスを飲み始める前はそんなことはなかったので、明らかにリバウンド現象です。主治医も初めての経験だったそうで、曰く「アタラックスよ、お前もか!、って感じ」だそうです。

いまでは眠るために薬は要りません。夜遅くなってくると自然に眠くなってきます。薬を使って寝ていた頃は(薬を飲まなければ)夜遅くまで元気に?活動することもできたのに、今はそれができないのが少々残念です。

それほどぐっすりよく眠れているわけではありません。最初に書いたように、風邪薬程度に簡単に振り回されてしまいます。けれど、不思議なのは「よく眠れないことがそれほど気にならない」のです。人間生きていれば、眠れないときだってあるさ、という程度です。

逆に言えば、精神的に調子が悪かった時代は、なんであんなに「眠れないことが気になり、辛かった」のか? それはおそらく精神的に調子が悪かったからでしょう。(不眠は精神的不調の症状であり、原因ではないということ)。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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