心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2010年06月07日(月) ギャンブル患者増加中

お世話になっているメンタルクリニックの先生から、AAのミーティング会場地図がなくなったので持ってきて欲しいと言われました。そのついでに少し話をしたのですが、「最近の依存症の新患は、ギャンブル依存症ばかりだ」というお話でした。

その数週間後、ギャマノンのセミナーにおじゃましました。
そこで大学の医学部で依存症を専門にされている精神科の先生にお会いしました。
地元の保健所では月に1回、依存症相談・依存症家族教室というのをやっており、保健所の委託を受けた精神科医が、ご本人や家族の相談に乗っています。実はこれが酒害者家族教室と呼ばれていた頃、僕の母もお世話になったことがあります。そのころは、前述のクリニックの先生が担当していたそうですが、現在はセミナーでお会いした大学の先生がやっているそうです。

その先生がおっしゃるには、そちらでの相談件数も、最近はアルコールよりギャンブルの依存症の人が多い、という話でした。

最近ギャンブル依存症の人が増えているのかどうか。それはわかりません。
ただ、ギャンブル依存症の人が治療につながる数(患者数)が増えているのは確かなようです。

なぜそうなのか、理由は僕にはわかりません。法律の改正によって新規の借金がしづらくなったのと関係あるのかもしれません。

ちなみに「患者」とは、医療機関で治療を受けている人のことです。未治療の人は患者数には含めません。IDCの診断基準を使って日本のアルコール依存症者数を推計すると約82万人。このうち患者数が約2万人。無事断酒している人たちが多少いるにしても、残りの大多数である(数十万人)は未治療です。

患者数が増えても、母集団である依存症者数が増えているとは限りません。

製薬会社がSSRIを売るために行ったうつ病啓発キャンペーンのおかげで、うつ病患者が増え、それをあてにしてメンタルクリニックがたくさんできました。だからといって、うつの人が増えたとは限りません。うつの人の中で、治療につながって患者になる人の割合が増えただけでしょう。

話を戻して、DSM-IV(IDC-10)では病的賭博は衝動制御の障害に分類されていますが、現在ドラフトが出ているDSM-Vでは依存症の分類に移動してきています。(ギャンブル依存症が診断書にも使える病名となるわけだ)。加えて、何らかの社会的原因によって、ギャンブル依存症の受診率が上昇中です。

今後何年間か、ギャンブル依存症が最も注目を浴びる依存症になるのかもしれません。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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