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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2009年07月23日(木) 非定型うつ病についての素人考え 53.1Kg, 8.9%
最近掲示板の方に「非定型うつ病」という話を書きました。
「うつ」が病気だということが様々なメディアで取り上げられた結果、うつ病が世間に認知されるようになりました。一方で、「うつは心の風邪」という言葉のおかげで、様々な精神の不調が「うつ」という言葉にくくられるようになり、(確かにうつ状態には違いないのですが)本来のうつ病とは違うものも「うつ病」という診断を受けるようになりました。
従来のうつ病とは違うそうした病気に対して、一部では「非定型うつ病」という言葉が与えられています。では従来型のうつ病と、非定型うつ病ではどこが違うのでしょうか。
まず最初は、本来のうつ病では、楽しいことに対しても興味や関心がなくなり、意欲がわかなくなります。例えば野球観戦が大好きな人が、テレビの野球中継を見ることすらおっくうになり、まして球場に足を運ぶ計画を立てるなんてできなくなります。周囲が気晴らしに旅行に連れ出そうとしても、すでに生活全般が苦痛に感じている本人とって旅行は拷問のようにしか感じません。このように生活の中で楽しいこと、有意義に感じることがなくなってしまうのが特徴です。
ところが非定型うつ病では、仕事や家事などは面倒に感じて嫌なのですが、楽しいことやおもしろいことはできるのです。病気で仕事の休みをもらっているのに、収入が減るからとアルバイトをしたり、旅行の計画を立てて実行に移してしまったりします。しかし仕事に戻ると再び不調になります。
非定型の場合でも、気分の落ち込みや集中力の低下という症状は同じです。ただ好きな異性に会うとか、自分の意見が支持されるなど「いいこと」があると、うつが一時的に晴れるのが特徴です。これを「気分の反応性」といい、従来のうつ病と区別する重要なポイントです。(従来型ではたとえ好きな人とでも会うのは苦痛に感じる)。
二番目。一日の中で気分の変動がある(日内変動)のは共通ですが、本来のうつは朝方に調子が悪く、夕方から夜になって症状が軽減するのが普通です。朝はご飯が作れなかった主婦が夕方から出かけて夕食の買い物ができる。朝は出勤できなかった勤め人が、夜になると「この調子なら明日こそ会社に行けるかも」と思える(でもやっぱり翌朝はダメ)などです。(夜型人間というのとは違います)。
非定型の場合には、逆に朝は症状が軽く、夕方から夜にかけて具合が悪くなります。日曜日の夕方に「笑点」というテレビ番組をやっていますが、あれを見るともう明日は月曜日だと憂鬱な気分になる、というエピソードがあります。実に非定型らしい話(つまりうつ病らしくない話)だと思います。
(長くなったので明日に続きます)。
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